3月22日の海外株式・債券・為替・商品市場

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欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次 の通り。

◎NY外為:ポンド下落、テロでEU脱退リスクが強まる-円も下落

22日のニューヨーク外国為替市場ではポンドが主要通貨の中で最も 下げた。ブリュッセルでのテロ攻撃を受け、英国の欧州連合(EU)離 脱「Brexit」支持派が勢いづくとの見方からポンド売りが膨らん だ。

ポンドは対ドルで1カ月ぶり大幅安。EU離脱支持派の政治家は移 民流入により英国が攻撃を受けやすくなると主張。一方、キャメロン首 相ら反対派は経済および政治的連合の一部にとどまることが安全保障の 一助になるとの見解を示している。ユーロは主要通貨の大半に対して下 落。テロで信頼感が揺らぎ、欧州資産が回避されるとの思惑が背景にあ る。

クレディ・アグリコルのG10通貨戦略責任者、バレンティン・マリ ノフ氏(ロンドン在勤)は「ポンドは明らかにアンダーパフォームして いる。さまざまな要素が背景にあるが、そのうちの一つは悲惨な事件が EU脱退キャンペーンを後押しするとの懸念だ」と述べた。

ニューヨーク時間午後5時現在、ポンドは対ドルで前日比1.1%安 の1ポンド=1.4208ドル、対ユーロでは0.9%下落し1ユーロ=78.95ペ ンス。 ユーロは対ドルで0.2%下げて1ユーロ=1.1217ドル。

ウエスタン・ユニオン・ビジネス・ソリューションズのアナリス ト、ジョー・マニンボ氏は「攻撃がユーロ圏で発生したため、域内の不 透明感がさらに強まった」と指摘。ブリュッセルでのテロは「Brex it問題への注目を高め、EU脱退支持派を有利にする可能性がある」 と語った。

円は対ドルで下げに転じる展開。ブリュッセルでのテロを受けて円 に逃避需要が集まり、一時は買い進まれたが、その後はその流れが反転 した。

原題:Pound Falls as Risk of ‘Brexit’ Mounts on Brussels Terror Attack Yen Rises on Refuge Demand After Brussels Attacks (Correct) (抜粋)

◎米国株:ナスダックは上昇、ブリュッセルのテロ攻撃で輸送株安い

22日の米国株式市場ではナスダック総合指数が小幅高。これで5日 続伸となった。ブリュッセルでのテロ攻撃を背景に輸送関連株やS& P500種株価指数は下落した。

ブリュッセルの空港や地下鉄駅を狙ったテロ攻撃で少なくとも31人 が死亡した。

この日は薄商いの一日だった。ナスダック総合指数は0.3%上昇し て4821.66。S&P500種は0.1%安の2049.80。ダウ工業株30種平均 は41.30ドル(0.2%)安の17582.57ドル。昨年10月以来の最長連続高に 終止符を打った。

ロバート・W・ベアードの機関投資家担当株式セールス・トレーダ ー、マイケル・アントネッリ氏は「テロ攻撃があったが、市場は予想以 上に耐性があるようだ」と述べ、「恐ろしい惨劇だ。こうした出来事は これまでのようにショッキングに映らなくなってきた。市場参加者はニ ュースの内容を理解しようと努めている」と続けた。

ウィーデンの主任グローバルストラテジスト、マイケル・パーブス 氏は「こうした出来事が起きると、二度目はボラティリティーに対する 影響が一度目よりもずっと軽い」と述べ、「残念ながらこの時点ではあ る程度想定されている事態だ。テロ攻撃は悲劇だが、相場に悲劇はもた らしていない」と続けた。

輸送関連株はこの日、大きく影響を受けた。デルタ航空とアメリカ ン航空グループはいずれも下落した。一方、製薬のアムジェンやファイ ザーは上昇。アップルも値上がりした。

シカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティ指数 (VIX)は2.8%上昇して14.17。

S&P500種は先週16日の連邦公開市場委員会(FOMC)声明発 表以来、初めて下落した。トレーダーの間では6月のFOMC会合で利 上げされる確率は46%が織り込まれている。FOMC声明発表前は 約54%だった。シカゴのエバンス総裁は年初の不安定なスタートで経済 見通しに不透明感が高まったことから、金融政策当局者が今月利上げを 見送ったのは適切との見解を示した。

S&P500種産業別10指数は7指数が下げた。生活必需品株は大き く下げた。ヘルス関連株は3日続伸した。

ヘルスケア関連株はここ3日間で2.7%上昇。この日は製薬株が買 いを集めた。ナスダック・バイオテクノロジー指数は2.6%上昇し、2 週間ぶりの高水準だった。

ブルームバーグ米航空株指数は1.2%安。一時は2.2%安まで下げて いた。デルタとアメリカンはここ2週間で最大の下げとなった。

原題:Nasdaq Edges Higher on Drugmakers Amid Longest Rally Since April(抜粋)

◎米国債:下落、シカゴ連銀総裁がファンダメンタルズは良好と発言

22日の米国債は下落。一時上昇していたが、下げに転じた。シカゴ 連銀のエバンス総裁が米経済のファンダメンタルズは「非常に良好だ」 と指摘したことが手掛かり。朝方発表された3月の製造業活動を示す2 つの指数はともに改善した。

この日はブリュッセルで爆弾テロが発生し、ベルギーのテロ警戒レ ベルが最高に引き上げられたことを受けてドイツと英国の国債が上昇。 そうした中でも米国債は値下がりした。リッチモンド連銀製造業景況指 数とマークイット・エコノミクスの米製造業購買担当者指数(PMI) 速報値はともに上昇した。

三菱UFJ証券USAのシニア米国債トレーダー、トーマス・ロス 氏は「ファンダメンタルズが改善しつつあり、市場はそれに反応してい る」と指摘。「ブリュッセルでのテロに反応して朝方は上げていたが、 強い逃避の動きというわけではなかった」と続けた。

前日にはサンフランシスコ連銀のウィリアムズ総裁とアトランタ連 銀のロックハート総裁が早ければ4月の連邦公開市場委員会 (FOMC)会合での利上げの可能性を示唆していた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後5時現在、10年債利回りは前日比2ベーシスポイント(bp、1b p=0.01%)上昇の1.94%。同年債(表面利率1.625%、2026年2月償 還)価格は7/32下げて97 5/32。

利回りは一時1.88%にまで低下。ブリュッセルでの爆弾テロを受け て安全資産の需要が高まった。04年にマドリードで起きた列車爆破テロ や05年のロンドンでの同時爆破テロなど欧州で過去に起きたテロ事件で は、米国債は一時急伸した後に勢いを失っている。

2年債と30年債の利回り格差(イールドカーブ)は3日ぶりに縮小 した。

原題:Treasuries Decline as Evans Joins Fed Voices Lauding U.S. Growth(抜粋)

◎NY金:3営業日ぶり反発、ブリュッセルでの爆破テロ受け逃避需要

22日のニューヨーク金先物相場は反発。ブリュッセルでの連続爆破 テロ発生を受けて、逃避先とされる金の買いが強まった。

オプションセラーズ・ドット・コム(フロリダ州タンパ)の創業 者、ジェームズ・コーディアー氏は電話インタビューで、「きょうはテ ロ攻撃を主因に株価が数日ぶりに下げており、その資金の多くが金に流 入している」と述べた。

ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物4月限は前日 比0.4%高の1オンス=1248.60ドルで終了。上昇は3営業日ぶり。

銀先物5月限は0.2%上げて15.885ドル。ニューヨーク商業取引所 (NYMEX)のプラチナとパラジウムも値上がりした。

原題:Brussels Blasts Push Up Gold as Haven; Lead and Aluminum Decline(抜粋)

◎NY原油:41ドル台で終了-爆破テロや在庫増観測をこなす

22日のニューヨーク原油先物市場ではウェスト・テキサス・インタ ーミディエート(WTI)先物がバレル当たり41ドル台で終えた。ブリ ュッセルでのテロを受けて一時1.8%下げていたが、その後に値を戻し た。

先週分の米国の原油在庫は86年ぶり高水準からさらに増加すると予 想されている。

エネルギー関連の商品に重点を置くヘッジファンド、アゲイン・キ ャピタル(ニューヨーク)のパートナー、ジョン・キルダフ氏は「原油 相場は当初、ブリュッセルでのテロ攻撃に反応した」と指摘しながら も、「下げは限定的だった。市場にはかなりのサポートがある」と述べ た。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物5月限は前日 比7セント安い1バレル=41.45ドルで終了。一時は0.9%上げる場面も あった。4月限は前日の最終取引日を39.91ドルで終えていた。

原題:Oil Closes Above $41 After Brussels Attack, Forecast Supply Gain(抜粋)

◎欧州株:小幅安、ブリュッセル爆弾テロで航空・ホテル銘柄売られる

22日の欧州株式相場は終盤に日中の下げの大半を埋めたものの、ブ リュッセルでの爆弾テロを受けて航空株やホテル銘柄が下げた。

指標のストックス欧州600指数は前日比0.2%安の340.30で取引を終 了。一時1.6%下落したが、テクロノジー株の上げで相場全体の下げ足 が鈍った。業種別で最も値下がりしたのは旅行・レジャー銘柄。中でも 航空会社のエールフランス・KLMとライアンエアー・ホールディング ス、フランスのホテル運営会社アコーの下げが目立った。

ブリュッセルではこの日、空港と地下鉄での爆発によって少なくと も31人が死亡、180人以上が負傷。同地発着便は欠航となったほか、欧 州中の空港で安全確保および警戒のための措置が強化された。旅行関連 株は売られたものの、過去を振り返ればこうした反応は長続きしない傾 向であることが分かる。

ノッツ・ストゥッキ(ジュネーブ)のファンドマネジャー、ピエー ル・ムートン氏は「株式相場の反応はテロ攻撃後の投資家の慎重な態度 を反映している」と指摘。その上で「地政学的リスクが高まったとの認 識で一部投資家は欧州を敬遠するかもしれないが、当初の反応を超えて 長期的に株に重しになるとは思わない」と続けた。

関連銘柄では、英仏海峡トンネルを運営するグループ・ユーロトン ネルが3.8%下落。パリ空港公団やドイツの空港サービス会社フラポー トは2%余り下げ、欧州保険株も安くなった。一方で、空港警備などを 手掛けるスウェーデンのセキュリタスは3.7%の値上がり。

テクノロジー銘柄は0.9%上げて業種別で上昇率トップ。英イマジ ネーションテクノロジーズは一時22%上昇した。アップルが同社買収に 向けて交渉中とテクノロジー関連サイトのアルス・テクニカが報じ、こ れを受けて買われた。ただ、アップルはその後、イマジネーションと協 議はしたものの、今回は提案を行う予定はないと発表し、同銘柄 は5.4%高で取引を終えた。

原題:Europe Stocks Erase Most Losses in Aftermath of Brussels Attacks(抜粋)

◎欧州債:ドイツ債が上昇、ブリュッセルの爆弾テロで質への逃避進む

22日の欧州債市場では、ドイツ国債が上昇。少なくとも31人が死亡 したブリュッセルでの爆弾テロを受け、域内で最も安全とされる資産が 需要を集めた。

いわゆる周辺国の国債に対し、この日は格付けが高い中核国の国債 パフォーマンスの良さが目立った。2026年7月償還債57億ユーロ (約7160億円)相当を発行したオランダの国債も値上がりした。

ラボバンクの欧州金利戦略責任者、リチャード・マクガイア氏(ロ ンドン在勤)はテロの「ニュースを受け、明らかに質への逃避が起きて いる」と指摘。「今朝飛び込んできたニュースで市場のトーンはリスク オフとなった。長期債の利回りは十分に抑えられ、周辺国債のスプレッ ドがやや拡大している」と続けた。

ロンドン時間午後4時18分現在、ドイツ10年債利回りは前日比2ベ ーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の0.21%。一時は5bp 下げた。同国債(表面利率0.5%、2026年2月償還)価格は0.175上げ て102.81。

ベルギー10年債利回りはほぼ変わらずの0.61%。日中に4bp低下 する場面もあった。既発のオランダ10年債利回りは3bp下げ て0.30%。

一方、スペイン10年債利回りは1bp未満上げて1.45%。ドイツ債 に対するスプレッド(利回り上乗せ)は123bpと、終値ベースでは1 週間余りで最大の幅に広がった。

原題:German Bonds Advance on Safety Demand After Brussels Explosions(抜粋)

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