3日の東京株式相場はことし初の3連騰。米国経済統計の堅調な内容が続き、グローバルなマクロ景気に対する過度な悲観論が後退、需給面では売り方の買い戻しも続いた。年初から2月までの下落率トップだった銀行株の強さが際立ち、鉱業や商社など資源株、海運や鉄鋼株といった海外景気敏感セクターも買われた。

  TOPIXの終値は前日比19.44ポイント(1.4%)高の1369.05、日経平均株価は213円61銭(1.3%)高の1万6960円16銭。両指数とも、3連騰は昨年末の大納会以来となる。

  豪AMPキャピタル・インベスターズの投資戦略責任者、シェーン・オリバー氏は「グローバルなリセッションに対する投資家の警戒感は弱まっており、円安も進むだろう。そうすれば、日本の企業業績期待を押し上げる手助けとなる」と指摘。直近で発表されている米経済統計は良くなってきており、「反発が続くためにはグローバルな景気により自信を持っていく必要がある」との見方を示した。

  給与明細書作成代行会社のADPリサーチ・インスティテュートが2日に発表した給与名簿に基づく調査によれば、2月の米民間部門の雇用者数は21万4000人増と市場予想の19万人増を上回った。米連邦準備制度理事会(FRB)が公表した地区連銀報告(ベージュブック)では、12地区のうち7地区が景気は「緩やかに」「緩慢なペースで」「若干」拡大した、と説明した。2日の米国株は米S&P500種株価指数が0.4%高など堅調で、銀行やエネルギー株への買いが持続。ストックス欧州600指数も0.7%高、銀行株が買われた。

  きょうの日本株は、日経平均が前日に600円以上急騰した反動から小安く始まったが、早々にプラス転換。午後に入り為替市場でドル高・円安方向への動きが強まった影響もあり、堅調さが持続、日経平均とTOPIXはほぼきょうの高値圏で引けた。午前のドル・円は1ドル=113円40ー80銭台で取引されていたが、午後は114円20銭台まで円が売られた。

  日本株は年初からの下落で、TOPIXの予想PERが14.2倍と米S&P500の16.6倍、ストックス欧州600の15.2倍より低い。三菱UFJモルガン・スタンレー証券の芳賀沼千里チーフストラテジストは、「日本株には依然として割安感があり、2月中旬までの株価下落で業績悪化懸念は相当織り込まれた。日本株に強気な姿勢を維持する」としている。

  銀行株は東証1部33業種の上昇率で2位、TOPIXの押し上げ寄与度でトップ。三井住友アセットマネジメントの市川雅浩シニアストラテジストは、「マイナス金利導入で収益に影響するという見方が強かったが、意外に影響しないのではという見方が出てきた」と話した。日本銀行の黒田東彦総裁は2日の参院予算委員会で、民主党議員の質問に答弁、金融機関収益に対するマイナス金利の直接的な影響は小さいとの見解を示した。

  ソシエテジェネラル証券の杉原龍馬株式営業部長は、「銀行株はリスクオフの流れの中でグローバルに弱かった。海外の一部マクロファンドでは、銀行は指数ウエートが大きく、マーケットが上がる時には上がりやすいという考え方がある」と言う。年初から2月までの業種別騰落で、銀行はマイナス32.3%と下落率1位。東証が2日に公表した空売り業種別集計によると、銀行の空売り比率は37.1%で1日の46.1%から減り、買い戻しの動きがうかがえる。

  東証1部33業種は海運、銀行、鉱業、鉄鋼、証券・商品先物取引、保険、卸売、石油・石炭製品、電気・ガス、非鉄金属など26業種が上昇。空運や陸運、水産・農林など7業種は下落。鉱業や卸売は、2日のニューヨーク原油先物が0.8%高の1バレル=34.66ドルと続伸したことが好感された。東証1部の売買高は27億4428万株、売買代金は2兆5383億円。上昇銘柄数は1429、下落は436。

  売買代金上位では三菱UFJフィナンシャル・グループ、三井住友フィナンシャルグループ、みずほフィナンシャルグループのメガバンク3行がそろって急伸。日産自動車や三菱商事、JFEホールディングス、第一生命保険、野村ホールディングスも高い。リストラ費用確保のため、主力3行から2000億円借り入れると3日付読売新聞で報じられた東芝、国内ユニクロの2月の既存店売上高が増えたファーストリテイリング、モルガン・スタンレーMUFG証券が投資判断を上げたTDKも買われた。半面、JR東海やNTTドコモ、アステラス製薬は安い。

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