ドル・円は112円台後半、株高で円買い圧力緩和-米指標を見極め

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  • ユーロ・円は一時122円09銭、2013年4月以来の円高値
  • 日欧の緩和レース、ECBが先行していること明確-IG証

1日の東京外国為替市場では、ドル・円相場が1ドル=112円台後半で推移。欧州中央銀行(ECB)の緩和観測が再び強まったことを背景にユーロ安主導で円買いが先行した後、中国や日本の株価上昇などを背景に円が上昇幅を縮小する展開となった。

  午後3時40分現在のドル・円相場は112円67銭前後。一時112円16銭と3営業日ぶりの円高値を付けた後、午後の取引では112円79銭まで戻す場面が見られた。ユーロ・円相場は一時1ユーロ=122円09銭と、2013年4月4日以来の水準までユーロ安・円高が進んだが、午後は122円台後半で取引された。ドル・円相場とユーロ・円相場の相対力指数(RSI、14日ベース)はそれぞれ円の買われ過ぎを示す水準付近で推移している。

  IG証券の石川順一マーケットアナリストは、「ユーロ・円相場は日本銀行が異次元緩和を導入した当時に逆戻りする格好となり、日銀の緩和効果がECBの緩和強化に打ち消される水準にまでユーロ安・円高が進んでしまっている」と言い、「日欧の緩和レースに関してはECBが先行していることが明確になっている」と指摘。ただ、「目先は行き過ぎた面もあるので、ユーロの買い戻しが出てもおかしくない」と言う。

  また、この日は中国の株式相場が上昇。続落して取引を開始した日経平均株価もプラス圏に浮上して引けた。IG証の石川氏は、「中国人民銀行による前日の預金準備率引き下げを受けた中国株の反応が注目されていたが、株価指数が総じて上昇し、日経平均も序盤は軟調だったがプラス圏で推移したことで、株高が円高圧力の後退要因になっている」と話す。

  欧州連合(EU)統計局(ユーロスタット)が29日発表したユーロ圏の2月の消費者物価指数(CPI)速報値は前年同月比0.2%低下。1月のプラス0.3%からマイナスに転じた。価格変動の大きいエネルギーなどを除いた2月のコアインフレ率は0.7%と、前月の1%を下回る伸びとなった。欧州債市場では指標とされるドイツ国債の短期債から8年物までの利回りが軒並み過去最低を記録した。

  三菱UFJモルガン・スタンレー証券の植野大作チーフ為替ストラテジストは、「ユーロ圏のCPIがきっかけとなって、ECBが10日の会合でマイナス金利を拡充するのではないかとの見方がまた強くなった」と説明。加えて、英国のEU離脱懸念が欧州通貨全般の重しになっていると言い、「円高・欧州通貨安がドル・円にも飛び火している」と話した。

  今週は米国で主要な経済指標の発表を控えており、この日は米供給管理協会(ISM)の製造業景況指数が発表される。IG証の石川氏は、「ISM指数が良ければ市場は素直にドル買いで反応する可能性がある」とみる。

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