2月29日の海外株式・債券・為替・商品市場

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欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次 の通り。

◎NY外為:ユーロ、対円で3年ぶり安値-域内CPIが低下し

29日のニューヨーク外国為替市場ではユーロが下落。対円でほぼ3 年ぶりの安値を付けた。ユーロ圏の2月の消費者物価指数(CPI)が 低下し、欧州中央銀行(ECB)が3月10日の定例政策委員会で緩和策 を拡大するとの観測が強まった。

ユーロは対ドルでは1カ月ぶり安値に下げた。ユーロ圏CPI速報 値は前年同月比0.2%低下。1月のインフレ率はプラス0.3%だった。

ドイツ銀行の外為調査グローバル共同責任者、アラン・ラスキン氏 (ニューヨーク在勤)はユーロが第1四半期末までに1ユーロ=1.05ド ルに下げ、年末までに等価に下落するとの見通しを示した。さらに「当 社はECBがハト派的な姿勢を示すと確信している」と指摘。ECBが 緩和拡大に動き、米金融当局は金融引き締めを進めるという「金融政策 の違いに注目した取引は終わっていない」と述べた。

ニューヨーク時間午後5時現在、ユーロは対円で前営業日比1.7% 安の1ユーロ=122円53銭。一時は2013年4月以来の安値水準に達し た。対スイス・フランでは0.4%安、ドルに対しては0.6%安の1ユーロ =1.0873ドル。一時は1月29日以来の水準に下げた。

金利先物市場では年末までの0.25ポイントの米利上げ確率は約54% として織り込まれている。同確率は今月、20%を割り込む場面もあっ た。

ラスキン氏はリポートで、ユーロ圏の景気減速や移民問題、英国の 欧州連合(EU)脱退の可能性、ギリシャの債務問題、国債利回りの相 違、欧州の銀行システムの状況からユーロは圧力を受けるとの認識を示 した。

ユーロ圏の価格変動の大きいエネルギーなどを除いた2月のコアイ ンフレ率は0.7%と、前月の1%を下回った。ECB当局者は3月3日 からブラックアウト期間に入り、発言を控える。

ジェフリーズ・グループ(ニューヨーク)のマネジングディレクタ ー、ブラッド・べクテル氏はリポートで、「ユーロが対ドルでじりじり と継続的に下げているのはインフレと英国のEU脱退問題が影響してい る。この二つの材料は今後もユーロを圧迫する可能性が高い。量的緩和 を始めてから1年たつが、インフレ上昇の兆しは現れていないというの が実情だ」と指摘した。

原題:Euro Falls to 3-Year Low as Deutsche Bank Maintains Bearish View(抜粋)

◎米国株:下落、原油高に追随せず-S&P500は3カ月連続安

29日の米国株は下落。原油が反発したものの、株式はつれ高となら なかった。S&P500種株価指数は月間ベースの上げを失った。前週ま では週間ベースで2週連続で上昇していた。

この日は銀行株やヘルスケア関連株の下げが目立った。JPモルガ ン・チェースやウェルズ・ファーゴはいずれも下落。アムジェンやエン ドー・インターナショナルも安い。エネルギー株は月間ベースで4カ月 連続安となった。

S&P500種株価指数は前営業日比0.8%安の1932.23。月間ベース では0.4%安、3カ月連続の下げとなった。ダウ工業株30種平均 は123.47ドル(0.7%)下げて16516.50ドル。ナスダック総合指数 は0.7%下落。

フィラデルフィア・トラストのリチャード・シーシェル最高投資責 任者(CIO)は「先週は極めて好調だったため、投資家は一服してい る可能性がある。恐らく利益を確定しているのだろう」と述べ、「この 日は強材料がなかった。株価は通常ならば原油相場の動きに連動してい る。この日は原油が上昇したものの、株価との連動は断ち切られた」と 続けた。

S&P500種は午後に入って50日移動平均を下回ると下げ足を速め た。25日には年初来で初めて50日平均を上回って終了したが、翌26日は 下落した。経済指標で物価が上昇しつつある兆候が示されたことから、 追加利上げが従来予想より早まるとの観測が強まり景気に対する楽観が 弱まった。2月11日から先週末にかけて同指数は6.5%値を戻し、月間 ベースでの下げを一時埋めていた。

アジア時間の取引終了後、中国人民銀行(中央銀行)は市中銀行に 課す預金準備率を引き下げると発表した。公開市場操作による銀行間市 場の金利低め誘導と流動性注入などの景気刺激から、より伝統的な金融 緩和に回帰する。

3月16日発表の連邦公開市場委員会(FOMC)声明を前に、利上 げ軌道を判断する上で経済統計の内容に注目が集まっている。朝方発表 された1月の米中古住宅販売成約指数は市場予想に反し、前月比で低 下。シカゴ製造業景況指数は予想以上に落ち込んだ。

シカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティ指数 (VIX)は3.7%上昇し20.55。過去2週間で22%低下していた。

S&P500種産業別10指数は9指数が下げた。唯一、公益事業株が 上昇した。

バリアント・ファーマシューティカルズ・インターナショナル は18%安。同社は米証券取引委員会(SEC)の調査を受けていること を公表した。またこれより先、2015年10-12月(第4四半期)の暫定決 算について29日に電話会議を予定していたが、病気で休職していたマイ ケル・ピアソン最高経営責任者(CEO)の職場復帰を明らかにすると ともに、決算発表を延期し、従来の業績見通しを取り下げた。

29日のニューヨーク原油先物市場ではウェスト・テキサス・インタ ーミディエート(WTI)先物が大幅反発したものの、S&P500種エ ネルギー株は下落した。サウスウエスタン・エナジーは投資判断の引き 下げを嫌気して下落。チェサピーク・エナジーやアパッチも安い。

原題:S&P 500 Falls for a Third Month as Late-February Rebound Fades(抜粋)

◎米国債:上昇、この2カ月は2012年以来の大幅高-景気減速観測で

29日の米国債相場は上昇。月初来でも上昇し、この2カ月での利回 り低下はほぼ4年ぶりの大幅となった。世界経済の成長鈍化が懸念され る中、予想を下回る米経済データを受けて米国債に逃避の買いが入っ た。

1月の中古住宅販売成約指数が2年ぶりの大幅低下となったほか、 シカゴ製造業景況指数が予想外の50割れとなったことを受け、10年債利 回りは低下した。月末特有のファンドによる残存期間の長い債券購入も 米国債相場を支えた。

TDセキュリティーズの金利ストラテジスト、ジェナディ・ゴール ドバーグ氏(ニューヨーク在勤)は「データ週間の滑り出しは芳しくな い」と指摘。「月末なので長期債にはすでに圧力がかかっていた。デー タが発表されて短・中期債もそれに引きずられた」と述べた。

3月15-16日の米連邦公開市場委員会(FOMC)を控え、金融政 策の先行きを占う上で経済統計に注目が集まっている。ブルームバーグ 世界債券指数によれば、年初からの米国債のリターンは2.4%。世界的 な市場変動で逃避の買いが入った。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーのデータによれば、10年債利 回りはニューヨーク時間午後5時現在で3ベーシスポイント(bp、1 bp=0.01%)下げて1.73%。同年債(表面利率1.625%、2026年2月 償還)の価格は1/4高い99ちょうど。

10年債利回りは昨年末から53bp下げており、2カ月間での下げと しては2012年5月以降で最大となった。

今年に入り金相場は17%値上がりした一方、主要10通貨に対するド ルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は0.6%下げ、米 国債は上昇している。

ダブルライン・キャピタルのポートフォリオマネジャー、 ジェフ リー・シャーマン氏はブルームバーグテレビジョンとのインタビュー で、「この3市場から浮かび上がるのは、FOMCが現行の金利水準か ら離れるという目標を達成できないと市場が見ていることだ」と述べ た。

昨年12月のFOMCメンバーの予測では、2016年中に4回の利上げ が行われることになっていたが、先物市場が織り込む12月までに1度で も利上げがある確率は約54%にとどまっている。ブルームバーグがまと めたオーバーナイト・イン デックス・スワップ(OIS)データによ ると、3月利上げの確率はわずか10%、昨年末時点の39%から低下して いる。

全米不動産業者協会(NAR)が29日発表した1月の中古住宅販売 成約指数(季節調整後)は、前月から2.5%低下。これは2013年12月以 来で最大の落ち込みだった。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予 想の中央値は0.5%上昇だった。2月のシカゴ製造業景況指数は47.6に 低下。エコノミストの予想は52.5だった。

今週はこのほか、3日に2月のISM非製造業景況指数、4日には 同月の雇用統計が発表される。

日興アセットマネジメント(オーストラリア)の金利・為替担当チ ーフ・グローバルストラテジスト、ロジャー・ブリッジズ氏(シドニー 在勤)は米金融当局が追加利上げに踏み切っても、米国債相場は上昇す る可能性があるとみる。利上げすれば、「リスク資産が打撃を受ける可 能性があり」、その結果「質への逃避が促される」と述べた。

原題:Treasuries’ Two-Month Gain Is Biggest Since 2012 as Growth Slows(抜粋)

◎NY金:反発、月間ベースでは4年ぶり大幅高-逃避需要の買いで

29日のニューヨーク金先物相場は反発。月間ベースでは4年ぶりの 大幅上昇となった。安全資産の需要が強まったことで、金連動型ファン ドを通じた金の買いが活発になった。

フューチャーパス・トレーディングのトレーダー、フランク・レシ ュ氏(シカゴ在勤)は電話インタビューで、「金や金関連資産に資金が 流れているとのニュースは確実に支援材料だ」と指摘。「金買いを促し ているのは不透明感や不安だ」と述べた。

ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物4月限は前営業日 比1.1%高の1オンス=1234.40ドル。月間では約11%高と、2012年1月 以来の大幅上昇となった。

この日は銀先物も上昇。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の プラチナとパラジウムも値上がりした。

原題:Gold Posts Biggest Monthly Gain in Four Years on Haven Demand(抜粋)

◎NY原油:反発、7週ぶり高値-サウジが産油国との協調示唆

29日のニューヨーク原油先物市場ではウェスト・テキサス・インタ ーミディエート(WTI)先物が大幅反発し、7週ぶり高値。サウジア ラビアは原油相場の変動抑制で他の産油国と協力する意向を示した。中 国人民銀行(中央銀行)は市中銀行に課す預金準備率を引き下げると発 表した。

エネルギー関連の商品に重点を置くヘッジファンド、アゲイン・キ ャピタル(ニューヨーク)のパートナー、ジョン・キルダフ氏は「きょ うはサウジが相場支援のコメントを出す番だったようだ」と指摘。「原 油市場では、疑わしきは産油国の利益になっている。中国人民銀による 預金準備率引き下げも原油市場を支えている」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物4月限は前営 業日比97セント(2.96%)高い1バレル=33.75ドルで終了。終値ベー スで1月6日以来の高値。2月全体では0.4%の値上がり。昨年10月以 来で初の月間プラスとなった。

原題:Oil Rises to Seven-Week High as Saudis to Work With Producers(抜粋)

◎欧州株:3日続伸、終盤に上げ膨らむ-中国緩和で資源銘柄に買い

29日の欧州株式相場は終盤に買いが膨らみ、指標のストックス欧 州600指数は3営業日続伸となった。今年に入って最長の上げ局面だ。

資源銘柄が高くなった。中国人民銀行(中央銀行)が市中銀行に課 す預金準備率の引き下げを決めたことがきっかけで、英アングロ・アメ リカンやアルセロール・ミタルが大きく買われた。

ストックス600指数は前週末比0.7%高の333.92で終了。1.2%安と なる場面もあったが、プラス圏で終わったことで、月間ベースの下落率 は2.4%に縮小した。この日発表された2月のユーロ圏消費者物価指数 (CPI)速報値が前年同月比0.2%低下したことも材料視された。

CMCマーケッツ(ロンドン)の市場アナリスト、ジャスパー・ロ ーラー氏は、人民銀の預金準備率引き下げが「株価を押し上げるきっか けになるかもしれない」と発言。「インフレ率は予想より弱かった」と し、これで欧州中央銀行(ECB)の「3月の会合で緩和策が拡大され る見込みは強まるはずだ」と述べた。ただ、「具体的に何ができるの か、確信が持てない」と付け加えた。

ドラギ総裁は追加刺激策を検討すると示唆しており、市場の関心は 来週のECB会合へと移りつつある。最近の相場上昇にもかかわらず、 ストックス600指数は月間ベースでは2012年以降で最長の3カ月連続安 となった。指数構成銘柄の株価収益率(PER、予想収益ベース)は 約14.5倍と、今月上旬の13.2倍から上昇したが、昨年4月に付けたピー ク時の約17倍を依然として下回っている。

銀行株は月間ベースで3カ月続落。年初来では業種別指数の中で最 もきつい値下がりとなっている。この日は英HSBCホールディング ス、スイスのクレディ・スイス・グループ、イタリアのモンテ・デイ・ パスキ・ディ・シエナの下げが目立った。企業の合併・買収(M&A) の動きから先週上げていたロンドン証券取引所グループ(LSE)とス ペインのボルサス・イ・メルカードス・エスパニョーレス(BME)、 ドイツ取引所もこの日は売られた。

原題:European Stocks Rally in Last Hour of Trading as Miners Jump(抜粋)

◎欧州債:ドイツ国債が上昇-期間8年までの利回りが過去最低に

29日の欧州債市場ではユーロ参加国の国債が総じて上昇。指標とさ れるドイツ国債は短期債から8年物まで、利回りが軒並み過去最低を記 録した。ユーロ圏の2月の消費者物価指数が過去1年で最も下落したこ とが背景にある。

物価下落を受け、欧州中央銀行(ECB)が成長とインフレ率押し 上げのため3月に金融緩和を拡大するとの見方が強まった。今年これま での商品と株価の値下がりが安全資産需要を高め、ドイツ国債を支えて いる。10年物利回りはこの日、昨年4月以来の低水準まで下げた。

欧州連合(EU)統計局(ユーロスタット)が発表したユーロ圏の 2月の消費者物価指数(CPI)速報値は前年同月比0.2%低下。ブル ームバーグがまとめた調査中央値ではゼロが見込まれていた。1月のイ ンフレ率はプラス0.3%。

ダンスケ銀行(コペンハーゲン)のチーフアナリスト、アラン・フ ォンメーレン氏は「ドイツ国債が順調な理由の1つは原油値下がりだ。 これでインフレ期待が著しく低下し、ECBに一段の緩和を迫ってい る」と発言。「ドイツ国債を次に動かす要因は、ECBの次回会合と緩 和政策でどれだけ積極的になるかだ」と付け加えた。

ロンドン時間午後4時9分現在、ドイツ10年債利回りは前週末比4 ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の0.11%。一時 は0.10%と、昨年4月22日以来の低さとなった。年初来では52bp下 げ、2カ月の低下幅としては2012年5月以来の大きさ。同国債(表面利 率0.5%、2026年2月償還)価格はこの日、0.43上げ103.92。9年物利 回りも昨年4月以来で初めてゼロを割り込んだ。

原題:Every German Bond Yield Through Eight Years Falls to Record Low(抜粋)

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