米国債:上昇、この2カ月は2012年以来の大幅高-景気減速観測で

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  • 年初からの米国債のリターンは2%超、世界的な市場変動で逃避買い
  • 追加利上げ後の米国債相場、上昇する可能性も-日興アセット

29日の米国債相場は上昇。月初来でも上昇し、この2カ月での利回り低下はほぼ4年ぶりの大幅となった。世界経済の成長鈍化が懸念される中、予想を下回る米経済データを受けて米国債に逃避の買いが入った。

  1月の中古住宅販売成約指数が2年ぶりの大幅低下となったほか、シカゴ製造業景況指数が予想外の50割れとなったことを受け、10年債利回りは低下した。月末特有のファンドによる残存期間の長い債券購入も米国債相場を支えた。

  TDセキュリティーズの金利ストラテジスト、ジェナディ・ゴールドバーグ氏(ニューヨーク在勤)は「データ週間の滑り出しは芳しくない」と指摘。「月末なので長期債にはすでに圧力がかかっていた。データが発表されて短・中期債もそれに引きずられた」と述べた。

  3月15-16日の米連邦公開市場委員会(FOMC)を控え、金融政策の先行きを占う上で経済統計に注目が集まっている。ブルームバーグ世界債券指数によれば、年初からの米国債のリターンは2.4%。世界的な市場変動で逃避の買いが入った。

  ブルームバーグ・ボンド・トレーダーのデータによれば、10年債利回りはニューヨーク時間午後5時現在で3ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)下げて1.73%。同年債(表面利率1.625%、2026年2月償還)の価格は1/4高い99ちょうど。

  10年債利回りは昨年末から53bp下げており、2カ月間での下げとしては2012年5月以降で最大となった。

  今年に入り金相場は17%値上がりした一方、主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は0.6%下げ、米国債は上昇している。

  ダブルライン・キャピタルのポートフォリオマネジャー、 ジェフリー・シャーマン氏はブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、「この3市場から浮かび上がるのは、FOMCが現行の金利水準から離れるという目標を達成できないと市場が見ていることだ」と述べた。

  昨年12月のFOMCメンバーの予測では、2016年中に4回の利上げが行われることになっていたが、先物市場が織り込む12月までに1度でも利上げがある確率は約54%にとどまっている。ブルームバーグがまとめたオーバーナイト・イン デックス・スワップ(OIS)データによると、3月利上げの確率はわずか10%、昨年末時点の39%から低下している。

  全米不動産業者協会(NAR)が29日発表した1月の中古住宅販売成約指数(季節調整後)は、前月から2.5%低下。これは2013年12月以来で最大の落ち込みだった。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の中央値は0.5%上昇だった。2月のシカゴ製造業景況指数は47.6に低下。エコノミストの予想は52.5だった。

  今週はこのほか、3日に2月のISM非製造業景況指数、4日には同月の雇用統計が発表される。

  日興アセットマネジメント(オーストラリア)の金利・為替担当チーフ・グローバルストラテジスト、ロジャー・ブリッジズ氏(シドニー在勤)は米金融当局が追加利上げに踏み切っても、米国債相場は上昇する可能性があるとみる。利上げすれば、「リスク資産が打撃を受ける可能性があり」、その結果「質への逃避が促される」と述べた。
  
原題:Treasuries’ Two-Month Gain Is Biggest Since 2012 as Growth Slows(抜粋)

(第1段落に追記し相場を更新、第6段落以降を加えます.)
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