ECB、刺激策の意向伝達で綱渡り-2月のインフレ失速の公算

  • 3月10日の政策委を控えて当局者は3日からブラックアウト期間に
  • 追加利下げは市場に織り込み済み、追加措置に投資家は注目

欧州中央銀行(ECB)要人は向こう3日間、市場への意思伝達で危うい綱渡りを迫られそうだ。

  29日発表のインフレ指標は物価が再び停滞もしくは下落を示す可能性が大きい中で、ECBが3月10日の政策委員会での追加刺激策を決める意向を公の場で伝える機会は、3日からのブラックアウト期間を前に残りわずかとなっている。そうした中、ユーロ圏の量的緩和の立役者であるクーレECB理事は2日にフランクフルトとブリュッセルで講演する予定で、ラウテンシュレーガー理事や各国中銀総裁からも行動を示唆する発言が出る可能性がある。

  昨年12月の政策変更は投資家の期待を裏切る微調整にとどまり、債券相場やユーロの大幅下落を招いた。当局はその二の舞いを避けたい考えで、消費者物価押し上げの手段とそれを行使する意欲があるという見解を強調しながらも、当局が実行しない行動を市場に準備させないようにする必要がある。

  RBCヨーロッパの欧州エコノミスト、ティモ・デルカルピオ氏は、「政策委メンバーは今年の最も重要になる可能性のある会合を前に、自らの発言が市場にどう解釈されるかについてこれまで以上に気を配るだろう」と予想。同時にECBは「手を縛られている」という印象を阻止することに懸命に取り組んでいると付け加えた。

  ECBは長引く低インフレへの対応策として、マイナス金利策や1兆5000億ユーロ(約185兆円)規模の債券購入計画を打ち出しているが、目に見える進展はほとんどない。ブルームバーグの集計した予想中央値によれば、2月のユーロ圏消費者物価指数(CPI)は前年比横ばいと、前月の0.3%上昇を下回る見込み。統計はルクセンブルク時間午前11時(日本時間同午後7時)に発表される予定。26日発表の統計では、ドイツとフランス、スペインの物価下落が示されている。  

  クレディ・アグリコルCIBのインフレストラテジスト、ジャンフランソワ・ペリン氏は、ECBが物価安定の責務に関しては「オレンジゾーンもしくはレッドゾーンにある」と述べ、「さらなる行動が必要になろう」と語った。

  スワップトレーダーの間では、今回の政策委でECBが中銀預金金利を現行のマイナス0.3%から少なくとも10ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)引き下げるとの見方が大勢。

原題:ECB Window for Stimulus Message Closing as Inflation Stalls(抜粋)

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