英銀バークレイズ:東京で解雇した従業員の割増退職金を引き上げへ

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英銀バークレイズが日本株ビジネスからの撤退に伴い退職する従業員への割増退職金(パッケージ)の条件を引き上げたことが、複数の関係者への取材で明らかになった。1月に約80人の東京で働く社員を解雇してから、上乗せを提示したのは初めて。

  関係者によれば、バークレイズ証券は先週から今週にかけて日本株のアナリストやセールス、トレーダーらと3度目の個別面談を実施していて、これまでのおよそ2ー7カ月の割増退職金に新たに3カ月を付与する案を示した。

  日本株ビジネスの撤退に伴い1月21日に退職を勧告された従業員のほとんどは、パッケージの額があまりに低いとして同意していなかった。今回提示された新条件でも、ほとんどの社員と合意に至らなかったもよう。外国銀行従業員組合連合会によれば、日本で展開する外資系金融機関のパッケージは直近2年では12カ月から36カ月で、平均は約2年分だという。

  外銀連の杉本和幸書記長はブルームバーグの取材に対し、「バークレイズの割増退職金は日本でのこれまでの事例と比較しかなり低いと言える」と話し、特に「会社都合の撤退や閉鎖などの場合ではなおさらだ」と指摘した。

1月21日

  1月21日午前7時半、バークレイズ証券の中居英治社長は、東京の本社ビル31階のホールに関連する従業員を集め、同業務から撤退することを伝え、デリバティブ、プライムサービス、電子取引にフォーカスすると表明した。

  バークレイズではアジア太平洋の業務縮小に伴い約230人を削減、豪州、台湾、韓国、マレーシアから撤退する計画が21日までに明らかになっている。また複数の関係者によれば、投資銀行業務では全世界で1000人規模の人員を削減する見通しだ。

  バークレイズの成松恭多広報担当はパッケージの詳細や、現在の交渉についてコメントを控えた。

従業員が陥るジレンマ

  退職勧告を受けた従業員は、今後より良い条件を引き出すために、時間をかけて会社側と交渉したいという半面、新たな職場を見付け1日も早く勤務を開始しなくてはならず、ジレンマに陥っているという。

  外銀連の杉本書記長は、退職勧告が行われた1月下旬から1カ月以上経過して会社側が初めて変更した条件が3カ月分の上乗せだったことについて、「従業員にはタイムリミットがある。交渉を続ける人はだんだん少なくなっていき、最後は時間切れになるだろう」と語った。

  既に転職を決めたバークレイズの元従業員もおり、みずほフィナンシャルグループなど、優秀な人材の獲得に向け動き出している金融機関もある。

英文記事:Barclays Said to Boost Severance Offer for Fired Tokyo Employees

(第10段落に採用動向について追加します.)
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