外為相場、荒い値動きはトレーダー泣かせ-ウエストパック銀キレン氏

  • 低い流動性とリスク回避が急激な変動もたらしているとキレン氏
  • 円は1月29日に安値を付けてから2月11日までに約10%上昇

1日当たり5兆3000億ドル(約600兆円)が取引される外為市場でトレーダーが稼ぐのはさらに困難になりつつある。かつては数カ月か数週間単位だった相場の変動が今では一層短期間になっているためだと、ウエストパック銀行の外為・債券・商品トレーディング責任者ヒュー・キレン氏は指摘する。

  金融市場で27年のキャリアを持つキレン氏(シドニー在勤)は、投資家や銀行がリスクを避けているため流動性は枯渇しつつあり、それがより急激かつ急速な相場変動につながっていると分析。価格変動により通常トレーダーが利益を得やすいボラティリティ(変動性)は2014年以来上昇しているものの、昨年10月には主要な為替取引センターである英国で売買高が3年ぶり低水準に落ち込んだ。売買高減少の背景には、スイス国立銀行(中央銀行)によるスイス・フランの対ユーロでの上限撤廃や、中国の事実上の人民元切り下げ、日本銀行の予想外の金融緩和といった一連の政策上のサプライズが投資家の混乱を招いたことがある。

  ロンドンやニューヨークでも勤務経験があり、01年にウエストパック銀に加わったキレン氏は、「かつては相場の調整に数カ月か数週間かかっていたかもしれないが、今ではペースが非常に速くなっている」と指摘。「こうした動きで若干の圧力が生じつつあり、運用しているのがどんなリスク資産だとしても、あっという間に吹き飛ぶ可能性がある」と述べた。

  典型的な例は円だ。円は1月29日、日本銀行が予想外のマイナス金利導入を決めたことを受けて、ドルに対していったん約1年ぶりの大幅安を記録した。円はそれ以来6%余り上昇しており、このままいけば月間ベースで08年以来の大幅な値上がりとなる。同様にユーロは15年初め以降、週間ベースで3%以上の上昇が3回、同率以上の下落は5回に上っている。

  キレン氏は「レンジの両端での取引が多くなってきている。これは相場が回復するだけでなく、レンジのもう一方の端に極めて速く動くということだ。レンジ内での荒い値動きとなっている」と説明した。

原題:Currency Whipsaws Squeezing Traders, 27-Year Market Veteran Says(抜粋)

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