米当局の金利予測、債券市場に通じず-利上げサイクル短期終了か

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  • 当局者の今年の金利予測は0.25ポイント下方修正も-ラボーニャ氏
  • 先物は約20年で最短の利上げサイクルになる可能性を織り込む

デリバティブ(金融派生商品)市場では、米連邦公開市場委員会(FOMC)が描く政策金利の道筋は間違いだという前例のないシグナルが出ている。

  米金融当局者が利上げは妥当と主張しているにもかかわらず、債券市場では約20年で最短の利上げサイクルになる可能性が見込まれている。先週には、昨年12月の初回利上げで引き締めはほぼ終わりとの見方が市場に反映される場面もあり、引き締め開始直後の市場のスタンスとしては前代未聞だとドイツ銀行は指摘する。デリバティブ市場ではまた、フェデラルファンド(FF)金利誘導目標が2年間ほとんど動かないことを示唆する異常な動きも見られる。TDセキュリティーズによると、これは金融当局による刺激策の前にしか現れない動きだという。

  債券トレーダーは市場の動揺や経済成長減速を受け、政策当局への信頼を失いつつある。2016年に複数回の利上げがあると予想していたトレーダーらは過去数カ月で据え置き見通しに転換。市場が示唆するインフレ指標はリセッション(景気後退)以来最低となった。過去の動きを手掛かりにすれば、来月のFOMCで参加者は金利見通しを引き下げることになりそうだ。当局は成長とインフレへのリスクを一時的と見ているが、トレーダーは経済の先行きに悲観的だ。

  ドイツ銀の米国担当チーフエコ ノミスト、ジョゼフ・ラボーニャ氏は「当局は渋々市場に追随しており、これは3月も続くだろう」と述べ、「結局のところ、市場の見方が正しいだろう。当局はインフレに関する信頼を失いつつある」と語った。

  市場の見方は一気に反転する可能性もあるとはいえ、過去2年間は当局の金利予測の道筋が高過ぎるという市場の予測通りの動きだった。債券市場は14年前半の時点でFOMC当局者のドット・プロット(金利予測分布図)が最大1ポイント外れていると示唆し、当局の予想は1年半かけて下方修正された。それでも当局は、景気懸念を深める一方の投資家の見方に追い付いていない。ブルームバーグ債券指数によれば、年限が10年超の米国債はこうした弱気な見方に報いる形で今年に入って約6%のプラスのリターンとなっている。

  3月15、16両日のFOMCの後、当局は新たな予測を公表する。昨年12月に公表された17年のFF金利の予想中央値はそれまでの2.63%から2.38%に下方修正。16年末予想の中央値は1.38%に据え置かれ、0.25ポイントの利上げが年内4回あるとの見方を示唆している。長期的な政策金利については当局は3.5%を見込むが、デリバティブ市場では2%割れの水準になると予想されている。

  ラボーニャ氏によると、当局者の16年のFF金利予測は来月、0.25ポイント下方修正され、年内3回の利上げを見込む水準になる公算が大きい。ドイツ銀は年内利上げを12月の1回と予想している。

原題:Fed Dots Don’t Connect for Bond Traders Scorning Rate-Hike Path(抜粋)

(FOMC金利予測のチャートなどを追加して更新します.)
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