CO2貯留の大規模実証試験、4月に開始-北海道苫小牧沖で

政府は4月、二酸化炭素(CO2)を地中に貯留する実証試験を北海道で開始する。火力発電所や工場などで排出されるCO2を大気中に出さずに回収し、地中に封じ込めるCCS(二酸化炭素回収貯留)と呼ばれるこの技術を、地球温暖化対策の切り札として掲げている。

  2020年度までの予定で行われる実証試験では、出光興産北海道製油所(苫小牧市)で排出されたCO2を回収し、苫小牧沖に掘られた深さ約1000メートルと約3000メートルの2つの井戸にCO2をためる。

  試験では年10万トン以上のCO2を注入する予定。国内初の分離・回収から貯留までの一貫したシステムの機能を確認するほか、地震が起きた場合に貯留したCO2に影響が及ばないことや、圧力をかけてCO2を注入しても地震が発生しないことなどをデータを集めて検証する。

  経済産業省は2020年ごろに実用化し、年100万トン規模で注入することを目指している。03年には新潟県長岡市で1万トン規模のCO2を注入する試験が行われていた。

  同省の委託を受けて12年からCO2回収設備の建設やCO2を注入する井戸を掘削した日本CCS調査の粕川哲夫広報渉外部長によると、「今回はその間を埋めるため、最低でも年間10万トンという量」をやることになったという。「苫小牧でやって日本でもできることを証明していく」との見解を示した。

  一方で、回収・分離から貯留までの一貫した設備建設には多額の費用がかかることや、商業的な規模で運用された事例がないことから、CCSの有効性については懐疑的な見方もある。オックスフォード大学のサステイナブル・ファイナンス・プログラムのダイレクター、ベン・カルデコット氏らは1月に発表したリポートで、「CCSが石炭火力発電所からの排出削減に大きく貢献する可能性は低い」との見方を示した。

  NPO法人気候ネットワークの平田仁子理事は「CCSを完全否定はしないが実用化の可能性についてはかなり悲観的にみている」と指摘。「地震や火山の噴火が多い国で安定的に地中に埋められる保証は全くない」と話した。 

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE