債券市場で超長期債相場が大幅高となり、新発20年債、30年債、40年債利回りは過去最低を更新した。日本銀行のマイナス金利政策で残存10年までの利回りがゼロ%を下回り、金利水準がプラス圏の年限を買う動きが強まった。10年債入札を無事に通過できたことで買いに拍車が掛かった。

  1日の現物債市場で新発20年物の155回債利回りは、日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値に比べて、一時8ベーシスポイント(bp)低い0.46%、新発30年物の49回債利回りは8.5bp低い0.765%まで下げ、新発40年物の8回債利回りは6.5bp低い0.90%と、いずれも過去最低を更新した。

  長期金利の指標となる10年物の341回債利回りは1bp高いマイナス0.055%で開始。その後は水準を切り下げ、午後に入って一時マイナス0.075%まで下げ、過去最低に並んだ。いったんマイナス0.065%に戻した後、マイナス0.07%で推移した。

  BNPパリバ証券の藤木智久チーフ債券ストラテジストは、「今日は超長期債がかなりラリーしている。午後から強かったが、入札後に加速している。上がり方からは、ショートカバーの色合いが強い。今後については、金融政策に対する不透明感が強い中で、金利低下圧力が続くのだろう。10年債利回りについては、マイナス金利幅の拡大がなければ、マイナス0.1%が低下のめどとなるが、追加緩和があればそれに応じて目線は下がることになる」と話した。

  10年債入札について、三菱UFJ信託銀行資金為替部の鈴木秀雄課長は、「入札後にマイナス0.075%に低下したが、日銀の金利のマイナス0.1%対比でキャピタルが稼げるぎりぎりのところで、これ以上の金利低下は難しそう」とみる。一方、「キャリーが稼げる20年債は買われやすい」と指摘。「10年-20年利回り格差はだいたい50bp強くらいあるが、40bp近くまでブルフラットニングするリスクはあるだろう。10年債利回りはマイナス0.075%から低下しづらいと考えると、20年債利回りが0.35%程度まで低下するリスクは見ておく必要があるかもしれない」と述べた。

  長期国債先物市場で中心限月3月物は、前日比7銭安の152円09銭で始まった後、いったんは152円07銭まで下落。午後に入って水準を切り上げ、一時は152円28銭まで上昇し、結局は1銭安の152円15銭で引けた。

10年債入札

  財務省が今日午後に発表した表面利率0.1%の10年利付国債(342回債)の入札結果によると、平均落札利回りがマイナス0.024%、最高落札利回りがマイナス0.015%と、ともに初のマイナスとなった。最低落札価格は101円16銭と予想の101円19銭を下回った。小さければ好調さを示すテールは9銭と前回の14銭から縮小。投資家需要の強弱を反映する応札倍率は3.20倍と前回の3.14倍から上昇した。

  10年債入札について、三井住友アセットマネジメントの深代潤債券運用グループヘッドは、「市場予想より少し下回った程度の結果。テールも縮小しており、波乱はなかった。マイナス利回りの割には無難に通過した印象。どの辺で決まるか分からなかったが、午後は安心感が広がり、買いが入っている」と話した。

  メリルリンチ日本証券の大崎秀一チーフ金利ストラテジストは、「思ったよりもしっかりした結果になった。もっとテールが流れると思った。結局、日銀トレードの需要が高いということ。また3月の償還を前に国債を保有しておきたいというニーズがあるのだろう」と分析。「最終的にマクロ加算残高の枠がどれくらいか分かれば、マイナス金利での入札が続く可能性はあるが、今のところまだマイナス金利での入札が続くような感じはしない」と語った。

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