シャープ買収、鴻海による条件変更の可能性も、週末も協議-関係者

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  • シャープの取締役会は再度、決議を行う場合も-関係者
  • 契約を急ぐ必要がない鴻海に交渉は有利-アナリスト

台湾の鴻海精密工業によるシャープの買収は、シャープ取締役会が決議した条件の変更が検討される可能性がある。両社は買収成立へ向け週末も協議した。事情を知る複数の関係者が28日、明らかにした。

  関係者によれば、現時点で鴻海が買収額や他の条件を変更するかは決まっていないが、重大な変更があった場合、シャープの取締役会は再度、決議を行う必要がある。双方のフィナンシャルアドバイザーや弁護士は、3000億円に上る可能性があるシャープの偶発債務について精査している。

  液晶事業の不調から経営不振に陥ったシャープは、郭台銘(テリー・ゴウ)会長が率いる鴻海の傘下に入ることで抜本的な事業再建に乗り出す狙いだったが、買収受け入れを決めた直後にすれ違いが表面化した。正式契約の日程は明らかになっていない。鴻海は2012年にシャープと合意した約670億円の第三者割当増資についても、引き受けなかった経緯がある。シャープ買収には、政府系ファンドの産業革新機構も名乗りを上げていた。

  エース経済研究所の安田秀樹アナリストは「鴻海が揺さぶりをかけているのか、本当に状況把握に時間がかかるのかを判断するのは難しい」と話した。再建を急ぐために年度末までに契約したいシャープに対し、機構が撤退した現在、鴻海は契約を急ぐ必要はなく、交渉は「鴻海に有利」な状況だという。

  29日のシャープ株価は一時、前営業日比4.6%安の126円まで下落した。終値は同2.3%安の129円。

取締役会前日に重大情報

  鴻海によれば、シャープが「新たな重大情報」を送付したのは24日朝で、鴻海は正式契約の延期について同日夜にシャープに通知していた。シャープは25日、臨時取締役会を開き、鴻海の買収を受け入れることを決定したが、鴻海は同日夜、情報の精査のため買収の正式契約を延期すると発表した。

  新たな重大情報には、構造改革や人員整理など一定の状況でシャープが支払わなくてはならない偶発債務が含まれることが明らかになっている。全ての偶発債務が発生した場合、3000億円を超える可能性もあるが、逆にもっと低い水準となることもあるという。

  鴻海のシャープへの提案の有効期限は2月29日だったが、有効期限が3月1日以降に延長されたかどうかについては明らかにできないと、シャープ広報担当の植村豊土氏は述べた。シャープは29日、買収交渉の期限は設定していないものの、可能な限り早期の契約締結を目指して協議を進めていると発表した。

  シャープの発表では、鴻海はシャープが第三者割当で発行する新株を総額4890億円で取得し、議決権ベースで66%の株式を保有する筆頭株主となる。また主要取引銀行のみずほ銀行と三菱東京UFJ銀行が保有する優先株のそれぞれ半数を総額1000億円で買い取る。またジャパン・インダストリアル・ソリューションズが250億円で取得した優先株も両者が合意した価格で買い取るとしている。

(第5段落に株価終値を追加しました.)
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