【インサイト】バークレイズの2.4兆円の男に「完璧」期待すると失望も

  • アナリストらはバークレイズに完璧な事態好転を期待
  • 1年で株価55%上昇を期待、「セル」判断は1人のみ

ジェス・ステーリー氏は本当に210億ドル(約2兆4000億円)の男なのだろうか。

  これは英銀バークレイズの最高経営責任者(CEO)としてステーリー氏が同行の時価総額を押し上げるとアナリストらが期待している金額だ。

  ブルームバーグ・インテジェンスによると、大半のアナリストが1年後に期待する株価は現在の水準を55%上回り、この差は欧州の銀行の中で最大。ゴールドマンのアナリストはさらに楽観的で、バークレイズ株が1年後にほぼ2倍になると見込んでいる。
 
  ブルームバーグが調査対象とするアナリスト28人のうち、バークレイズの投資判断を「セル(売り)」にしているのはエクサンBNPパリバのトム・レイナー氏1人だけだ。同氏は昨年9月から売りに指定している。

  しかし、その他のアナリストはなぜそんなに楽観的なのだろうか。

  一つには、バークレイズ株が割安なことがある。株価は1株当たり有形純資産額の半分で取引されている。業界の平均は0.8倍。予想株価収益率(PER)は約7.4倍で、ブルームバーグ・インテリジェンスによれば、これより割安なのは独コメルツ銀行と仏クレディ・アグリコル、BNPパリバの3行のみ。

  しかも、窮している企業のトップに新鮮な人材が就けば常に、投資家の想像力がかき立てられるものだ。昨年12月に就任したステーリー氏も例外ではない。

  ステーリー氏は業績の振るわない投資銀行部門の縮小を続けると約束。投資家は新CEOがアフリカ部門の縮小あるいは売却や米カード事業縮小、消費者向け支店の絞り込み、投資銀行での節約で、封じ込められている同行の価値を解き放つと期待している。

  しかしコストはまだ高く、投資銀行が収益力を回復する方法も不透明だ。今のところ、ステーリー氏とジョン・マクファーレン会長はアナリスト社会から支持されているが、取れる行動の範囲は狭まっている。市場の混乱で昨年には可能に見えた資産圧縮、事業売却も今年は難しそうに見えてきた。業績立て直しの進展を近いうちに示せなけばアナリストや市場の失望は大きいだろう。

  バークレイズは3月1日に決算を発表する。
 
(このコラムの内容は必ずしもブルームバーグ・エル・ピーの意見を反映するものではありません。) 
  
原題:Staley, Barclays’s $21 Billion Man, Risks Disappointment: Gadfly(抜粋)

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