MUFG:国際規制向け社債1兆円発行-マイナス金利下で「高利回り」

三菱UFJフィナンシャル・グループは、国際的な自己資本規制に対応した社債を相次いで発行する。グローバルベースでの資金調達額は総額1兆円を超える。日銀によるマイナス金利導入で市場金利や預金金利が低下する中での、条件付きの「高利回り債」の発行となる。

  MUFGは個人向けと機関投資家向けの劣後債それぞれ2000億円、3000億円を発行する。個人向けは需要が強く発行額を当初計画の1000億円から倍増した。このほか国際金融システム上重要な銀行に適用する総損失吸収能力(TLAC)規制に対応する社債を50億ドル(約5600億円)起債した。TLAC対応債は邦銀で初めて。

  劣後債は政府がMUFGを実質破綻と認定したり、財務悪化で自己資本比率が一定割合を下回った場合に元本が毀損(きそん)するなどの条件が付く。このため利回りは高めで、個人向けが年0.35%、機関投資家向けが年1.94%に決まった。TLAC債は5年が2.95%、10年が3.85%など。

  日銀のマイナス金利政策を受けて、MUFGなどメガバンクを含む日本の民間銀行は相次ぎ預金金利の引き下げに踏み切った。3メガ銀の通預金金利は従来の年0.02%から0.001%と過去最低となっている。国債市場では、長期金利の指標となる新発10年物国債利回りが史上初のマイナスを記録した。

  金融規制はリーマンショックを教訓とし、国際展開する銀行に従来より厳しい自己資本規制を求めている。銀行の経営破綻時の公的負担を減らすのが狙いで、19年以降に本格導入される。国際金融規制当局はTLAC規制による資本不足額は最大1兆1000億ユーロ(146兆円)に上ると試算する。

  債券調査会社クレジットサイツのデービッド・マーシャル氏(シンガポール在勤)は「日本のTLACの規制内容が決まる前に発行することは驚きだ」と23日付リポートで指摘した。日本の金融庁は新規制の適用基準についてとりまとめ中でまだ明確な指針を示していない。

  MUFGの吉田和人広報担当は、新規制対応型の社債発行について「国内外の幅広い投資家から旺盛な需要が確認できたことから、まとまった金額での起債を実施した」と電子メールで回答した。今後は「規制への対応を迅速に進めるとともに、生産性を意識した資本のベストミックスを追求していく」としている。

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