日本の外貨準備、現金が過去最高の1241億ドルに-米国債は減らす

  • 米金利上昇見通しと米国債の流動性を投資家は懸念
  • 財務省当局者は市場に影響する恐れがあるとしてコメントを控えた

日本は外貨準備の一部として、世界の中央銀行に記録的な額の現金を預けている。米国の金利上昇見通しと米国債の流動性への懸念を背景に、米国債の保有は減らした。

  財務省のデータによると、海外中銀にある日本の外貨預金は1月31日時点に1241億ドル(約14兆円)と、2014年末の140億ドルから急増。1月末の水準は2000年以降のデータの中で最高で、日本の外貨準備全体の約10%に相当する。内訳は明らかにされていないが、日本の預金の増加とともに、米連邦準備制度にある世界の中銀のドル資産が増えている。

  米国債の保有減は、米国の金融引き締め進展や債券市場の流動性低下懸念の高まりの中で生じ得る損失から日本の外貨準備を守る。現金でのドル保有は米金利上昇とドル相場上昇の恩恵を受ける。

  野村ホールディングスの米債トレーディング・アジア太平洋地域責任者、ジョン・ゴーマン氏(東京在勤)は「地球上の全ての場所で皆が自国通貨を押し下げている。例外は米ドルだけだ。外貨準備は値下がりする通貨より値上がりする通貨が安心だ」と話した。

  財務省の当局者は市場に影響する恐れがあるとしてコメントを控えた。

  日本は外貨準備の中の現金を増やす一方で米国債は減らした。米財務省のデータによれば、日本の政府と民間投資家を合わせた米国債保有高は15年に8.8%減り、07年以来で初の減少となった。他の外債も減らした。外貨準備の中の債券の額は14年11月以降に1264億ドル減り、預金は1169億ドル増えた。

  発行時期の古い米国債は、特に米利上げ局面には売買が難しくなる可能性がある。米国債市場の流動性低下を受けて売りやすい新発の銘柄へのシフトが進んでいる。

  ライトソンICAPのチーフエコノミスト、ルー・クランドール氏は、「アジアの中銀は総じて保有している古い米国債の流動性について懸念を表明している。日本は米国債を売って連銀への預金を増やすことで流動性のクッションをつくった。もっと多くの中銀が同じことをしていないのが少し驚きだ」と話した。

  米連邦準備制度理事会(FRB)のデータによれば、世界の中銀がドル資産を置く連銀の口座の残高は今月17日時点で過去最高の2466億ドルだった。昨年は95%増えた。

  ニューヨーク連銀は世界の中銀に支払う翌日物金利を、昨年10―12月(第4四半期)に恐らく平均で0.13%前後に引き上げたようだと、クランドール氏は推計している。FRBの四半期報告によれば同年1ー9月の平均は0.09%。

  各国は国際収支決済や緊急時に備えるため、資金を海外に置いている。

原題:Japan Builds $124 Billion Cash Hoard Even as It Cuts Treasuries(抜粋)

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