【債券週間展望】長期金利は上昇か、マイナス金利で10年入札に警戒感

  • さすがに超長期債の買いは一服-パインブリッジ
  • 金利がマイナスの年限は投資家需要が見込めなくなっているとの声

来週の債券市場では長期金利がゼロ%近辺へ上昇すると予想されている。10年債入札への警戒感が背景にある。日本銀行のマイナス金利政策を受けて利回りがマイナス圏で推移しており、投資家需要が不透明との見方が出ている。

  長期金利の指標となる新発10年物国債利回りは26日、一時マイナス0.075%まで低下し、3営業日連続で過去最低水準を更新した。金融市場でリスク回避の動きが強まったほか、日銀の長期国債買い入れオペで需給の引き締まりが示されたことが買い材料となった。

10年債入札と流動性供給入札

  財務省は3月1日午前、10年利付国債の価格競争入札を実施する。発行額は前回債と同額の2兆4000億円程度。償還日が前回入札の341回債より3カ月延び、回号が新しくなる。表面利率は前回債より0.2ポイント低下の0.1%と過去最低水準となる見込み。

  ドイツ証券の山下周チーフ金利ストラテジストは、10年債入札について、「非常に警戒感がある。通常の金利水準なら、新発債なので投資家や業者から需要があるというのが一般的。しかし、金利がマイナスの年限については、投資家からの需要が見込めなくなっている。業者も在庫を抱えて買うのは考えにくい」と指摘した。

  3日には流動性供給入札が予定されている。投資家需要の強い既発国債を追加発行する入札で、今回の対象銘柄は残存期間15.5年超39年未満。発行予定額は3000億円程度となる。

市場関係者の見方
*T
◎マスミューチュアル生命保険運用戦略部の嶋村哲金利統括グループ長
* 引き続き20年ゾーンまでのフラット化を想定しているものの、いったんは様子見となりそう
* 10年債入札は、新発債で金利が上乗せされるものの、それでも水準的には低く、結果に不安がある。多少テールが拡大する可能性はある
* 長期金利の予想レンジはマイナス0.05%~プラス0.05%

◎JPモルガン・アセット・マネジメントの塚谷厳治債券運用部長
* 海外勢の買いが入り、引き続き需給が強い見通し
* 10年債入札、多少マイナス金利でも心配する必要はない
* 長期金利の予想レンジはマイナス0.10%~0.00%

◎パインブリッジ・インベストメンツ債券運用部の松川忠部長
* 中期的にフラット化の流れ変わりないが3月前半はスティープ化する傾向。さすがに超長期の買いは一服
* 10年入札は新発債になり日銀オペにすぐ売れない点、マイナス金利下でクーポンが気掛かり
* 長期金利の予想レンジはマイナス0.08%~プラス0.05%

◎みずほ証券の丹治倫敦シニア債券ストラテジスト
*3月に入って調整圧力が強まっても、月末へ向けて再びフラット化圧力が強まることが予想される
* 札割れリスクが危ぶまれるほど日銀国債買い入れオペの応札倍率は低下していないが、今後そのリスクが高まる可能性は否定できない
* 長期金利の予想レンジはマイナス0.10~プラス0.10%
*T

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