誰も知らない、「トランプ大統領」誕生シナリオへの対策

  • 今年の米大統領選読み解く青写真を描けぬ投資家
  • 「とても、とても怖い年だ」とテラ・ファーマ・キャピタル創業者

市場が不透明感を嫌うとすれば、今年の米大統領選はこれまでの常識を覆すような不確実性を引き起こす可能性がある。

  ドナルド・トランプ氏が共和党の候補指名争いで想定外のリードを保ち、民主党候補指名を目指すバーニー・サンダース上院議員がヒラリー・クリントン前国務長官に脅威的な存在となっている中、世界的な低成長や商品相場安だけでも手一杯となっている投資家は、大統領選を読み解く青写真が描けないと不満を漏らし始めている。

  大統領の任期が8年目の年は、他の年に比べて株式のリターンが最低レベルとなり、大統領選挙の年の前半はさらに悪い状態となるケースが多いことは周知の事実だ。今年はさらに中国や原油相場、米金融当局の動向をめぐる不透明感が市場の重しとなっており、2012-15年に支配的だったような落ち着きが取り戻されると見込むマネーマネジャーはほとんどいない。

  BGCパートナーズの市場ストラテジスト、マイケル・イングラム氏(ロンドン在勤)は「こうした断片化の下で、現時点での市場の対応力を上回る数の変数が生み出され、各国・地域の金融当局はもはやその政策的空白を埋めようとしていない」と指摘。政治的な不透明感は「全くありがたくない変数」であり、トランプ氏の優勢維持は今ようやく「投資計算に算入され始めた」ばかりだと語った。

  トランプ氏は23日にネバダ州で行われた共和党党員集会で圧勝し、3月1日のスーパーチューズデーに臨む。同氏の躍進は、多くの向きが回答不可能と見なす一つの疑問を投資家に突きつける。それは市場にとって何を意味するかだ。

答えのない問い

  トランプ氏は移民制度改革や米国内での雇用創出のほか、アップル製品ボイコットについても自身の姿勢を大まかに示している。一方、サンダース氏の提案ではキャピタルゲイン税率が50%を上回る水準に引き上げられる可能性がある。

  米プライベートエクイティ(PE、未公開株)投資会社、カーライル・グループのデービッド・ルーベンスタイン共同最高経営責任者(CEO)は今週、ベルリンで開かれたスーパーリターン・インターナショナル会議で、最近問い掛けられる質問で最も重要なのは米大統領選の不透明感をめぐるものだと話した。

  共和党全国委員会の委員長を務めたPE投資会社KKRのパートナー、ケン・メールマン氏も同じ質問を受ける。メールマン氏は23日、民主党、共和党の「双方とも異常な展開となっているのは確かだ」と明かした。

  英投資会社テラ・ファーマ・キャピタル・パートナーズの創業者ガイ・ハンズ氏は23日、ベルリンからインタビューに応じ、「とても、とても怖い年だ」と語り、「米大統領選ではトランプ氏が意表を突く状況が続き、欧州の人々はこれからどうなるのか分からずにいる」とコメントした。

原題:President Trump? Traders Have No Answers on How to Prep for That(抜粋)

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