世界経済の番人G20、各国利益相反で協調困難か-26日上海で開幕

  • 成長見通し悪化でも金融危機直後とは状況様変わり
  • 中国の減速や通貨政策、米利上げ、原油安など課題山積

20カ国・地域(G20)が2009年9月に世界経済の番人になると宣言した際、大恐慌以来最悪の不況から世界を救出するという、各国・地域で一丸となる目標があった。

  上海で26、27両日に開催されるG20財務相・中央銀行総裁会議を前に、各国当局者は再び世界経済の弱い成長見通しを懸念している。ただ今回は違うのは、共通の目標で結束するというより、各国が異なるニーズを持ち、一部のケースでは利益相反が生じている点だ。

  中国の景気減速は他の新興国や資源国に打撃を与える一方、人民元の管理の在り方は国際的な不満を招いている。米金融当局による昨年12月の利上げはドルを上昇させ、ドル建て債務を抱える多くの新興国の借り手を苦しめている。サウジアラビアやロシア、カナダは原油価格下落で痛手を受けたが、それ以外の国では原油安は歓迎されている。一部の中央銀行によるさらなる金融刺激策で通貨が下落したため、報復的な反応を招く恐れもある。

安全保障

  安全保障の分野では、ロシアは米国と欧州による制裁で痛手を受ける一方でトルコとは激しい言葉の応酬を演じている。中東情勢の緊張で欧州連合(EU)は難民危機に見舞われるとともに、英国のEU離脱の可能性にも対応している。

  こうした相いれない課題の不協和音を耳にすれば、世界の需要てこ入れに向けた協調行動がまとまる確率は低いと考えられる。また、アナリストの間には現代版プラザ合意の可能性を思い描く向きもあるが、実現性は乏しいようだ。

  シティグループのG10通貨戦略グローバル責任者、スティーブン・イングランダー氏は「G20が抱える問題は、これらの課題の多くをめぐり各国当局者の意見対立があることだ」と指摘。「通常ならG20は利益をすり合わせて強力な政策で一致するが、今回の場合はそうした状況にない」と語った。

原題:Guardians of World Economy Hit Logjam of Conflicting Interests(抜粋)

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