サウジの原油増産凍結、市場にとって何を意味するか

  • ヌアイミ石油相:サウジが減産に踏み切ることはない
  • OPEC最大の産油国であるサウジ、例年は夏季に原油生産増やす

サウジアラビアは、同国が減産に踏み切るかもしれないとのうわさは打ち消し、増産を凍結する方針をあらためて示した。増産凍結により今夏は市場への原油流入が制限される可能性がある。ただ、世界最大の原油輸出国であるサウジの産油量は既に過去最高水準近くに達しており、増産凍結は問題にはならないとの見方もある。

  サウジは先週、原油生産を1月の水準に据え置くことでロシアとベネズエラ、カタールと合意。同国のヌアイミ石油鉱物資源相は今月23日にも米ヒューストンでこの方針をあらためて示した。このことは、サウジが例年夏季の国内需要拡大に対応するのに必要な増産を実施しないことを意味する可能性がある。この増産が実施されなければ、理論上は現在の世界の供給過剰分の約25%に相当する原油が市場に輸出されないことになる。

  スイスのコンサルティング会社ペトロマトリックスのマネジングディレクター、オリビエ・ジャコブ氏は「夏季が到来すると、増産凍結はサウジ産原油輸出の減少につながる」と指摘。「供給を1月の水準で据え置き、国内の発電需要のピーク時に増産しなければ、サウジ産原油の世界市場への供給は日量約50万バレル落ち込むだろう」との見方を示す。

  リヤドに拠点を置く共同機関データイニシアティブ(JODI)の2002年以降の統計によると、サウジは夏季のピークである6月と7月に1月の水準を平均約36万バレル上回る量の原油を生産している。データによれば、夏季にはエアコン向け電力需要が拡大するため、発電用原油需要は日量最大50万バレル増える。

  コンサルタント会社エナジー・アスペクツ(ロンドン)の石油担当チーフアナリスト、アムリタ・セン氏は今年のサウジの原油生産について「市場は依然として夏季の大幅な増加を見込んでいる」とした上で、「増産凍結により、ここにきてサウジの輸出は夏季に減少するのではないかとの見方が広がりつつある」と述べた。

  サウジの産油量は既に過去最高に近い水準にあり、輸出が減少しても市場で原油が不足することはないとみられている。

原題:What a Saudi Oil-Supply Freeze Would Really Mean for Markets (1)(抜粋)

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