ストラテジスト、日本株ターゲットを相次ぎ下方修正-円高、業績

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国内大手、外資系証券の日本株ストラテジストがTOPIXや日経平均株価の年内ターゲットを相次ぎ引き下げている。米国をはじめとするグローバル経済の先行き不安が広がる中、為替市場で急速に円高が進行、足元出そろった国内企業収益も落ち込みが鮮明で、2016年度業績に対する楽観的な見方の修正を迫られているためだ。

  米バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチは22日、16年末のTOPIX予想を1750ポイントから1520ポイントに下げた。年内の米国の追加利上げ予想回数も従来の3回から2回に減らし、16年度の平均ドル・円前提は1ドル=125円から115円に変更。TOPIXの1株利益(EPS)予想は、15年度で101.3から91に1割、16年度は111.4から95.9に14%減額した。

  阿部健児株式ストラテジストは、「昨年10-12月期決算が思った以上に弱く、特にマージンの改善ペースが鈍化していた」と指摘。日本銀行の追加金融緩和、原油や中国人民元の安定化など「いくつかの条件が重ならないと、日本株は上昇しにくい」とみている。

昨年来のTOPIX1株利益の推移

  シティグループ証券も22日、年末のTOPIX予想を1650から1500に見直した。16年平均の為替想定を1ドル=122.5円から112円に変更、飯塚尚己株式ストラテジストはこのレートを前提とした場合、「予想されるEPS成長はプラス2.7%と、多くの投資家を満足させるものとはならないだろう」と指摘する。15年度のEPSは昨年8月をピークに低下中、16年度のEPS成長率は15年度予想のプラス9%から一段と失速するとの見方だ。

  ブルームバーグ・ニュースが昨年末にまとめた証券会社や資産運用会社のストラテジスト、ファンドマネジャーらの予想では、16年末のTOPIXは中央値で1800、日経平均株価は2万2500円が見込まれていた。15年大納会の終値は1547.30、1万9033円71銭。原油価格の長期下落や米利上げの悪影響に対する懸念、欧州金融機関の信用不安など悪材料が重なり、世界の株式は年始から調整、MSCIワールド指数の年初来騰落率は24日時点で7.7%安となっている。特に日本株は為替の円高や決算内容も嫌気され、17%安とギリシャやイタリア、中国とともにワースト上位に並ぶ。

世界で突出する日本株の下げ

  SMBC日興証券も22日、16年末のTOPIX予想を1750から1550に修正した。同証の調べによると、TOPIXに採用される2・3月決算企業の15年度第3四半期累計の経常利益、純利益は過去最高を更新したが、伸び率は前年同期比5.7%、5.4%と1桁にとどまった。純利益は第3四半期単独で8.9%減益と落ち込み、資源、新興国関連の業種で巨額の特損計上が重なったためと分析。第4四半期も一層低調になる公算が大きい、という。

  ゴールドマン・サックス証券は、12カ月先のTOPIXの目標水準を1800から1600に下げた。日本銀行が導入したマイナス金利政策について、欧州での経験同様、日本の銀行や生命保険会社に対し不利に働く可能性を投資家は懸念している、と指摘。日銀がこの先一段の付利引き下げを行う場合、邦銀収益へのネガティブな影響がさらに増す恐れがあるとみる。

  野村証券は、昨年末時点で2万2500ー2万3500円としていた16年末の日経平均予想を1万9000ー2万2000円に下方修正した。堅調な米景気と緩やかな米利上げが日本株にとってのベストミックスだったが、この2つに否定的な見方が増えたとしている。松浦寿雄チーフストラテジストは、年央高値なら衆参ダブル選挙や消費税増税の延期など安倍政権の政策期待、年末高値なら円安進行、米国株高など外部環境の落ち着きがカタリストになると予想。足元の為替については、「強烈な円安によって日本が独り勝ちしてきた反動なのかもしれない」と指摘した。

  26日の東京株式相場は、米国耐久財受注の持ち直しや原油市況の続伸、為替の円安推移などが好感され、TOPIXは一時前日比1.7%高の1330.23、日経平均株価は332円16銭(2.1%)高の1万6472円50銭まで上げた。ドル・円相場は一時1ドル=113円20銭台と、22日以来のドル高・円安水準に振れた。

(文末に26日の日本株、為替市況を追記します.)
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