ドル・円反落、G20の政策協調に不透明感-一時は113円台前半

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  • ドイツとしてはG20によるいかなる財政刺激計画にも反対-独財務相
  • 過度な円高水準は修正された-黒田日銀総裁

26日の東京外国為替市場ではドル・円相場が1ドル=113円台前半から反落。きょうから始まる20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議で、市場安定化に向けた実効性のある政策協調が打ち出されるどうか不透明との見方から、取引が進むにつれてドル売りが優勢となった。

  午後4時31分現在のドル・円相場は112円82銭前後。朝方は原油高や株高を受けた円売りが先行し、一時113円22銭と4営業日ぶりのドル高・円安水準を付けた。その後はドル売り・円買いが優勢となり、午後には112円56銭まで値を切り下げる場面が見られた。ユーロ・円相場も一時1ユーロ=125円01銭と4営業日ぶりの水準までユーロ高・円安に振れた後、伸び悩んだ。同時刻現在は124円80銭前後。  

  一方、ユーロ・ドル相場は1ユーロ=1.10ドル台前半から一時1.1068ドルと4営業日ぶりの水準までユーロ買い・ドル売りが進行。足元では1.1061ドル前後で推移している。

  しんきんアセットマネジメントの加藤純ポートフォリオマネージャーは、ドル・円はG20を控えた期待感から買い戻しが進んできたが、「113円乗せの局面でG20における中国や個別国ベースでの経済対策が出てくることまではおおむね織り込んだ」と分析。「この後、原油価格が35ドルを超えたり、G20で各国が協調して経済対策を打つようなことがない限りは、110-114円のレンジを超えて上昇するのは難しい」と語った。

  ドイツのショイブレ財務相は26日、G20会議が上海で開幕するのに先立ち、ドイツとしてはG20によるいかなる財政刺激計画にも反対すると表明した。

  中国の楼継偉財政相は、財政上の余地がある中国は過剰生産能力を削減する必要があり、財政政策がそれを支えなければならないと、上海で述べた。中国人民銀行(中央銀行)の周小川総裁は、G20では世界経済と政策協調について話し合うと上海で開いたフォーラムで発言。また、中国には人民元が継続的に下落する根拠はないとあらためて表明し、金融政策の余地と手段がまだ残っていると話した。

  三菱UFJ信託銀行資金為替部の藤島雄介課長は、「こればかりは出てみないとわからないが、個人的には具体的で効果的な施策を打ち出すのは難しいと思う」と言い、「このイベントでリスクオンが加速する可能性をあまり見積もってしまうのは怖い」と指摘。「どちらかというと期待の剥落リスクをみておくべきで、為替では円高傾向がなかなか払しょくされにくいのではないか」と話した。

  26日の東京株式相場は続伸。ただ、午前後半からは伸び悩み、日経平均株価は前日比48円07銭高の1万6188円41銭で取引を終えた。

  日本銀行の黒田東彦総裁は26日の衆院財務金融委員会で為替相場について、この3年間で円安が進み、過度な円高水準は修正されたと答弁した。また、一般論として為替は長期的に購買力平価のいうように動く傾向があるとし、経済ファンダメンタルズを反映して安定的に推移することが望ましいと述べた。

  朝方発表された日本の1月の全国消費者物価指数(生鮮食品を除くコアCPI)は前年同月比横ばいとなり、市場予想と一致した。

  農林中金総合研究所の南武志主席研究員は、「円安効果が剥落する中で物価の上昇圧力が解消され、円高の影響が出始めて鈍化圧力が強まることになるだろう」と指摘。「日銀は物価の基調が改善しているとはなかなか言いづらくなってくる」と話した。

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