ロンドンは永遠ではない、「Brexit」でもめている間に没落も

永遠に繁栄する都市というものはない。15世紀のベネチアや18世紀のフィラデルフィア、19世紀のウィーンを思い起こせば明らかだ。

  英国の欧州連合(EU)残留・離脱をめぐる議論の際に、この教訓が忘れ去られているのではないかと、一部のロンドン市民は懸念する。

  ロンドンの富を支えている銀行は離脱に伴う弊害を警告しているというのに、ジョンソン市長は「離脱」キャンペーンに参加すると表明した。次期市長候補のザック・ゴールドスミス氏も同様だ。

  ロンドンが誇る現在の地位に疑問の余地はない。6500億ドル(約72兆7000億円)に達する経済規模は英国全体の4分の1近くを占め、アルゼンチンやポーランド経済に匹敵。EU離脱派の議論の中核はビジネスと金融、アイデアの中心としてのロンドンの地位は世界的なもので、状況が変わっても失われないというものだ。

  しかし金融業界のロビー団体、ザシティーUKのクリストファー・カミングス最高経営責任者(CEO)は、「ベネチアのバンカーたちもそう言っていたに違いない」と皮肉る。「氷山は底の方から溶ける。こういうものは知らず知らずのうちに失われていくものだ」と語った。

  EU残留派は「Brexit(英国のEU離脱)」によってロンドンのビジネスモデルがさらされる数々のリスクを挙げる。

  一つには、銀行が英国に置く拠点からEU全域で営業できる現在の制度が維持されるかどうかが分からない。銀行以外の企業にとっても、5億人規模の欧州単一市場の一部でなくなったロンドンは魅力を失うだろう。

  コンサルティング会社デロイトによれば、今のロンドンは欧州経済にとって、北米でのニューヨークよりも重要度が高い。大企業の本部の40%がロンドンに置かれ、高い技能を持つ労働者の人数はパリの2倍だ。

  ビジネス団体「ロンドン・ファースト」のキャンペーンディレクター、ウィル・ハイアム氏はロンドンで育ち、入ってくる人よりも出ていく人が多かった暗い1980年代を知っている。「今のロンドンはあらゆる競技で勝つ驚異的な選手のようだ。トレーニング方法を変えることについては慎重に考えた方がいい」と話した。

原題:As London Bickers Over ‘Brexit,’ History Shows a City Can Fade(抜粋)

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE