椿本チエイン:兵庫の工場でも自動車用チェーン生産へ-約14億円投資

  • 円安で輸出向けの注文増、既存工場は週7日のフル稼働続いていた
  • 円高反転で今後の国内投資の動向は不透明-「1ドル100円も想定」

自動車エンジン用タイミングチェーンで世界トップクラスの椿本チエインは、兵庫県加西市の工場で車用チェーンの生産を開始する。円安傾向が続いて国内生産が増えていることへの対応だ。

  自動車関連事業を統括する鈴木恭常務執行役員は23日、大阪市の本社でのインタビューで、精機事業の再編に伴って空くことになる兵庫県加西市の工場を約14億円かけて改装し、部品の生産を始めると話した。2017年の稼働開始を予定している。

  椿本は現在、主力商品である自動車用チェーンの国内生産は埼玉工場のみで手掛けている。鈴木氏によると、12年からの円安進行を受けて顧客の自動車メーカーが海外での能力増強を遅らせる動きが広がり、輸出向け中心に「思ったより国内受注が多い」状態が続いた。その結果、埼玉工場は週7日という異例の高稼働率が続いており、災害や品質面のリスクも考慮して加西市でも生産を始めることにしたという。

  1ドル=120円台で推移していた為替レートは足元で円高方向に反転しており、24日現在では112円前後となっている。鈴木氏は円安がもう少し続くと思っていたといい、再度の円高トレンドは「意外と早く来た」と述べた。現在では「1ドル=100円ぐらいまで想定している」という。

  日銀が導入したマイナス金利について、椿本への「自動車事業への影響はほとんどない」とする一方、国内投資を左右する要因として為替水準と顧客の自動車メーカーがそれにどう対応するかが全てと話した。鈴木氏は120円前後で円相場が定着すれば国内での事業拡大も考えられるが、現在の状況を考えると自動車メーカーも含めて国内での生産投資が「加速することはないのではないか」との見通しを述べた。

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