サウジ石油相から米石油業界へメッセージ:コスト削減もしくは撤退を

  • ヌアイミ石油相:高コスト生産企業はコスト削減か事業清算必要
  • シェール企業は「大幅に淘汰される」:リバーストーンのパパ氏

世界で最も影響力のある「オイルマン」、サウジアラビアのヌアイミ石油鉱物資源相は米ヒューストンで開かれた会議で、原油の安値環境から救われることを望む企業幹部らに厳しいメッセージを送った。それは、高コストの生産会社は「コスト削減か現金借り入れ、もしくは事業を清算する」必要があるというものだ。

  ヌアイミ石油相が「IHS・CERAウイーク」会議で石油業界幹部数千人に対して発したこのメッセージは、さらなる支出と人員の削減やリグ(掘削装置)の稼働停止を意味する。

  同石油相は23日、「厳しく聞こえるかもしれないが、残念ながら市場を再び均衡させるためにはそれが最も効率的だ」と述べた。ムーディーズ・インベスターズ・サービスによると、北米の石油生産会社74社は債務の維持がかなり困難な状況に陥っている。

  10年余り前にシェール業界の誕生を支援したEOGリソーシズの元最高経営責任者(CEO)で現在はプライベートエクイティ(PE、未公開株) 投資会社リバーストーン・ホールディングスのパートナーを務めるマーク・パパ氏は同日の公開討論会で、再編と破綻が相次ぐ中、テキサス州やノースダコタ州のシェール企業は向こう数カ月間に「大幅に淘汰(とうた)される」と予想。生き残る企業はより保守的になるだろうとの見方を示した。

広がる痛み

  支出減少や債務増加、人員削減の影響が拡大し始め、オクラホマ州の地方銀行や厳しい財政運営を迫られているベネズエラとブラジルの経済にも波及する中、ヌアイミ石油相のメッセージは米国のエネルギー業界以外にも広がると予想される。

  ヌアイミ石油相はヒューストンに集まった企業幹部らに対し、サウジはロシアと合意した増産凍結で市場の均衡には十分だと考えていると表明。高コスト生産会社はいずれ破綻し、需要拡大に伴って供給過剰が徐々に縮小するとの見通しを示した。国際エネルギー機関(IEA)は、これは原油安がさらに2年間続くことを意味すると指摘している。

  同石油相は増産凍結合意について、「減産ではない。減産が実施されることはないだろう」と述べた。

  ヌアイミ石油相がヒューストンで対峙(たいじ)したのは、サウジがまさしく破綻に追い込もうとしている企業の幹部らだ。ノースダコタ州のシェール企業やカナダのタールサンド採掘企業、ブラジル沖合の深海油田の開発を手掛けるこれらの企業が利益を上げるためには、原油価格が現行水準を大幅に上回る必要がある。これらの企業は石油輸出国機構(OPEC)が2014年11月に高コスト生産者に価格戦争に仕掛けてから1年余りの間、生き残りをかけて闘っている。同石油相はこの時以降、米国では公の場で話していなかった。

  「高コストの供給を援助するため低コストの原油を減産することは、避けられない決着を遅らせるだけだ」との見方を示した。

原題:Saudi Arabia to U.S. Oilmen: Cut Costs or Exit the Business (1)(抜粋)

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