円が下落、原油反発や日米株高でリスク回避弱まる-G20に期待も

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  • 対ドルで一時112円63銭、2営業日ぶりの円安値付ける
  • 市場はまだドル・円ショート、欧米市場次第で上昇余地-RBS

25日の東京外国為替市場では円が下落し、対ドルで一時1ドル=112円台後半まで水準を切り下げた。前日の米国市場で原油先物相場が反発したのを受けて、日米の株価が上昇したことから、リスク回避に伴う円買い圧力が緩和した。

  午後3時34分現在のドル・円相場は112円27銭付近。円は朝方に111円90銭まで水準を切り上げた後、午後には下げ幅を拡大する展開となり、一時は112円63銭と2営業日ぶりの安値を付ける場面があった。前日の海外市場では一時111円04銭と11日以来の円高値を付けていた。

  ロイヤル・バンク・オブ・スコットランドの平野淳外国為替営業部長は、原油相場の戻しや日経平均株価の上昇を受けて、ドル・円のショートカバーが進んでいるとした上で、「市場はまだショートになっているため、欧米市場の状況次第では、さらに上昇する余地はある」と指摘。テクニカル的にもローソク足で下ひげの長い陽線が前日に出現し、「反発しやすい形となっている」と言い、「まずは113円ちょうどや113円50銭を回復できるかが焦点」とみる。

  24日のニューヨーク原油先物市場ではウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物が反発。米エネルギー情報局(EIA)の統計でガソリンの在庫減少が示されたことが買い材料となった。原油反発を受けて、米株式相場は午後に入って上昇。米国債相場は下落し、10年債利回りは前日比3ベーシスポイント(bp)上昇の1.75%となった。

  この日の東京株式相場は反発して取引を開始し、日経平均株価は前日終値からの上げ幅が300円を超える場面もあった。

  みずほ証券投資情報部の由井謙二FXストラテジストは、「20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議を控えて仕掛け的な動きがこの2日間見られていたが、いったん様子見が広がっている」とし、「リスク回避が少し巻き戻されている」と説明。ドル・円は「短期的に111円で下値が守られれば、ドルの戻りが期待できる」と言い、来週に発表される米経済指標がしっかりしてくるようだと、114円を目指してもおかしくないとみる。

  26日からは2日間の日程でG20財務相・中央銀行総裁会議が上海で開かれる。ルー米財務長官は24日放送のブルームバーグとのテレビインタビューで、「危機ではない状況で、危機対応を期待すべきでない」とし、「現時点では、市場が一部のケースで考えているよりも、実体経済は良好だ」と語った。

  一方、中国は減税による歳入減少を補うため、長期的に財政赤字を国内総生産(GDP)比4%以上に引き上げることが可能だと、中国人民銀行(中央銀行)の調査統計局の盛松成局長らが経済日報のウェブサイトに掲載された寄稿文で指摘した。

  みずほ証の由井氏は、米財務長官の発言は世界的な状況を危機として受け止めていないと捉えられた面があると指摘。また、中国の不安が市場のリスク要因となる中で、中国政府が景気を下支えしていくスタンスを示す可能性があり、「目先は安心感が広がりやすい」と言う。

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