SAC「門下生」、プロトキン氏のヘッジファンドがランキング上位

  • 株価急落の1月でも、メルビン・キャピタルの成績はプラス2.9%
  • プロトキン氏のメルビンはアマゾンなど消費関連銘柄に集中投資

ヘッジファンド運営会社SACキャピタル・アドバイザーズを創業した資産家のスティーブン・コーエン氏の門下生たちとでも呼ぼうか。

  2013年に証券詐欺と電信詐欺で有罪となり、投資家に資金を返却したSACだが、この5年間で少なくとも10数人の元トレーダーが自身のヘッジファンドをスタートさせた。彼らの中でも群を抜くのが元株式トレーダーのガブリエル・プロトキン氏だ。同氏のメルビン・キャピタル(運用資産15億ドル=約1680億円)は相場が急落した今年1月の運用成績がプラス2.9%だった。事情に詳しい関係者が明らかにした。

  この成績に投資家は驚かないかもしれない。なにしろ、メルビン・キャピタルの15年の成績は47%。アマゾン・ドット・コムやマクドナルドへの投資が奏功し、資産規模が10億ドル超のヘッジファンドを対象とするブルームバーグの世界トップ50ランキングで2位の座をつかんだ。

  コーエン氏はSACを一族の資産を運用するファミリーオフィスに転換し、社名をポイント72アセット・マネジメントに変更した。同社の15年のリターンは15.5%。プロトキン氏を含め、多くのSAC出身のトレーダーらのファンドは順調だ。

  トップ50入りしたヘッジファンドの半分以上が、株式に投資を集中させている。S&P500種株価指数が5%下落した1月は、メルビン・キャピタルとは異なり多くのファンドが打撃を受けた。ヘッジファンド・リサーチによれば、株式特化型ファンドの同月の成績は平均してマイナス4.2%。昨年全体ではマイナス0.9%だった。

  プロトキン氏(37)は14年12月にメルビン・キャピタルを設立。コーエン氏から資金提供も受けた。同じくSACにかつてトレーダーとして在籍したピン・ジアン氏のファンドも好調。同氏のピン・エクセプショナル・バリューは昨年の成績がプラス39%前後。資産規模2億5000万ー10億ドル規模のヘッジファンドを対象にブルームバーグがまとめた上位25社のトップに選ばれた。

  SACキャピタルの20年間のリターンは年平均で25ー30%。出身者の一人であるアーロン・カウエン氏が11年に始めたスブレッタ・キャピタルは、昨年のリターンが7%を超えたと事情に詳しい関係者が明らかにした。元SAC最高執行責任者(COO)のソル・クミン氏が昨年3月に始めたフォルジャー・ヒル・アセット・マネジメントは、運用資産が年末には10億ドルに達していた。

  SACに06年から14年まで勤務したプロトキン氏はコーエン氏とは異なり、直感にあまり頼らず、投資モデルやデータに細部までこだわり慎重にポジションを構築する手法を用いると、元同僚は語っている。またメルビン・キャピタルの運用成績に詳しい人物によれば、プロトキン氏のレバレッジは控えめ。同社の弁護士はコメントを控えた。

  メルビン・キャピタルは米国の一般消費財・サービス銘柄を中心に取引する。このセクターのリターンは配当再投資を含めて15年に10%と、S&P500種を構成するセクター別のトップに位置する。

原題:SAC Alumni Make Cohen Proud as Plotkin’s Fund Shines in Ranking(抜粋)

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