ロボットがトレーダーのチャットを検閲、不正防止に一役

ロボットがやってくれる銀行の仕事がまた一つ増えつつある。トレーダーのメッセージなどを読んで不正の手掛かりをつかむ仕事だ。現在は人間の従業員が大勢でこれを行っている。

  ナスダックはデジタル・リーズニングという企業と提携し、ナスダックの取引監視ソフトウエアを、トレーダーのチャットやメッセージを監視するデジタルのシステムと統合しようとしている。ナスダックの23日の発表によると、スイスの銀行UBSグループがこの技術を採用している。ブルームバーグ・ニュースの親会社、ブルームバーグ・エル・ピーも顧客に通信監視ツールを提供している。

  銀行は金融危機後にトレーディング業務を縮小したが、トレーダーを監視する役割の従業員は増やした。コンピューターは取引の多くを自動化したが、従業員の電子メールやテキストメッセージ、電話の通話記録を検証するのは大勢の人間を必要とする手作業である場合が多い。

  ナスダックのリスク・監視ソリューション責任者、バレリー・バナートターナー氏は「現在あるシステムは手動で数百人の人手を必要とするか、自動化されているが誤検出が多過ぎて一から見直しが必要になるかのどちらかだ」と話す。

  不祥事で制裁金が膨らんだ銀行はトレーダーの不正により注意を払うべく、コンプライアンス(法制順守)部門を強化した。

  デジタル・リーズニングのシステムは既にトレーダーの電子メッセージの分析ができるが、同社はこれに通話を加えようとしている。ナスダックは同社に投資、ゴールドマン・サックス・グループとクレディ・スイス・グループも出資している。

  フォネティック・ソリューションズもトレーダーの監視を自動化するシステムを開発している。簡易メッセージや電子メール、携帯電話の通話など取引過程の全ての要素を再構築するもので、ビルバオ・ビスカヤ・アルヘンタリア銀行などが同社の顧客。

  セーフスクライブという新興企業が開発したソフトウエアは自身や雇用主にとって危険のあるような内容を入力している従業員に警告してくれる。同社は元バークレイズのトレーダーのマット・クラーク氏が創業者の1人。

  銀行は大量の通信データを収集したが、トレーダーをリアルタイムで監視するのは容易でない。機械学習を専門とする企業は通信の監視速度を上げ、問題が数十億ドル規模に膨らむ前に違反を検出することに取り組んでいる。「記録だけがあっても何も見えない。何が起こったか分からない」と、フォネティックのフアン・マヌエル・ソト最高経営責任者(CEO)が述べた。

原題:Robots Reading Trader Chats to Stop Next Wave of Bank Fines (1)(抜粋)

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