鴻海か革新機構か、シャープ支援計画の実現性が焦点-きょう決議も

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  • 24、25の両日に取締役会を開く予定-関係者
  • 鴻海の過去の投資不履行に懸念、機構案は実現に時間

経営再建中のシャープは24、25の両日に取締役会を開き、台湾の鴻海精密工業と政府系ファンドの産業革新機構が提示している支援策について協議する。焦点は双方の事業計画の実現性となる見通し。

  事情に詳しい複数の関係者がブルームバーグの取材に明らかにした。取締役会にはそれぞれの案を支持する意見があるが、まとまれば24日にも決議する。

  事業計画の実現性という点では、シャープに直接資金を投入する鴻海の方が有利という見方がある。ただ関係者によれば、鴻海は2012年にシャープと合意した約670億円の第三者割当増資を引き受けなかった経緯があり、契約が確実に履行されるか懸念が出ている。機構案は液晶と家電事業を他社と統合させることが軸になっているが、鴻海案と比べて実現に時間が必要なほか、各国の独占禁止法に抵触する恐れもあるという。

  エース経済研究所の安田秀樹アナリストは、鴻海の方が金額が高く「即効性という観点から魅力的にみえる」と指摘。シャープは調達した資金を液晶やロボットに投資できると述べた。

  SBIアセットマネジメントの運用本部長、木暮康明氏は支援決定の際は「再生する確度」を重視すべきだと話した。また鴻海との交渉は「契約書が全て」だと述べ、シャープは契約前に細部まで文書化する必要があると指摘した。

  シャープ株は24日、一時前日比7.8%安の165円まで下げた後、午前9時32分現在は同2.8%安の174円で取引されている。

再建に踏み出す

  シャープの再建候補は機構と鴻海の2社に絞られており、支援先の決定によりシャープは再建へ踏み出すことになる。シャープの経営危機はテレビ不振などで12年3月期に巨額赤字を計上したことで表面化し、前期(15年3月期)も2223億円の純損失を計上した。資産売却や人員削減によって立て直しを図ってきたが、液晶事業の悪化により外部支援が不可避の状況となっている。

  鴻海案は総額約6600億円を投じ、新株引き受けや主要取引銀行が保有する優先株購入などを行うことが明らかになっていた。機構案は成長投資に使う3000億円の出資に加え、液晶投資の追加資金として2000億円の融資枠を設定しており、機構は財務支援効果が1兆円を超えると主張している。

  鴻海の郭台銘(テリー・ゴウ)会長は5日、「設備や技術へ投資を行いたい」「液晶技術を世界一に戻したい」と記者団に述べた。また40歳以下の雇用を守る意向を示した。

  機構の志賀俊之会長(日産自動車副会長)は10日の取材に「シャープにとってわれわれの案の方がいいという気持ちがものすごくある」と述べた。また機構の場合、支援開始後5-7年で株式を売却するため、将来的にもシャープの独立性が保たれるという考えを示した。

  鴻海は電子メールで「われわれの提案が明らかに優れている。競合の提案は金額ではるかに低い水準にとどまっている」と主張した。機構の広報担当者は「シャープの判断を待っている」と述べた。シャープ広報担当の植村豊土氏はコメントしなかった。

(第6段落に株価を追加しました.)
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