ホンダ社長、「身の丈超えたスピードと規模」に課題-体制見直し

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  • 開発現場で工数と負荷が増大、ホンダの原動力低下につながった
  • 自動車開発の3領域で評価責任者、新たにデザイン統括責任者も

ホンダの八郷隆弘社長は、世界6極体制で四輪車事業を進める中で開発現場の負担が増大するなど課題が生じていたとして、開発現場が車づくりに集中できる体制に見直すことを表明した。

  八郷社長は24日の会見で、「身の丈を超えたスピードと規模で各地域のニーズを考慮した製品供給に追われた結果、日本からのサポート業務が増えて、生産現場や開発現場では工数と負荷が増大した」と述べた。こうした状況が「ホンダの創造性の原動力の低下につながっている」と結論づけた。

  その上で、今後は責任の明確化と権限委譲を進めることで、開発現場が一貫したコンセプトのもと開発に注力できる体制に変更するとした。具体的には「アキュラ、小型車、それ以外」という3つの領域でそれぞれ商品のコンセプトから開発まで評価する責任者を配置。また、ホンダとアキュラブランドのデザインをそれぞれ統括する責任者を置く。

  ホンダらしさの創造という課題については、電動化技術の導入強化を挙げた。2030年ごろまでに販売台数の3分の2をプラグインハイブリッド(PHV)、ハイブリッド、ゼロエミッションビークルなどの電動車両にする目標を掲げた。その内訳は15%が燃料電池車などのゼロエミッションビークル、50%以上がPHVを想定している。

  世界6極体制は今後も進化させる。日本と海外との相互補完体制を強化し、北米向けには「シビック」や次期「CR-V」を、欧州向けには「HR-V」や次期CR-Vをそれぞれ日本で生産して輸出をする。これにより日本では年間90万台半ばの生産体制を目指す。このうち1、2割を輸出用生産と想定している。

  商品計画では、昨年11月に北米投入した新型シビックは日本での販売を検討しており、また、18年までに北米で新型PHVを発売すると明らかにした。米ゼネラルモーターズ(GM)と共同開発中の次世代型燃料電池システムは20年ごろの商品化に向け、生産・購買を含めた次の段階に移行させる。

  八郷社長は23日、就任以来初めての経営体制の刷新を発表した。24日の会見では、人事の狙いについて、世代交代していくことを重点としたと述べた。

*池史彦会長、岩村哲夫副社長は退任
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*中国の東風本田汽車有限公司総経理の鈴木麻子氏が女性として初めて執行役員に就任

  4月1日付の四輪事業本部の組織体制変更では、生産・購買・品質・サービスの各領域の役割責任を明確にするとともに、全事業をまたぐ横串機能を強化し、品質・サービス・部品領域はカスタマーファースト本部を新設する。併せてデジタル技術の進化に伴い、ソフトウエアを含めた複合的なビジネス実現に向けた仕込みのためのビジネス開発統括部を新設する。

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