モメンタム取引の頓挫でバリュー投資家の出番か-相場の転換を期待

  • バリュエーションのばらつき復活、バリュー投資成功の下地に
  • 企業利益よりも速いペースで株価が下落すれば興味持つとフランク氏

フランク・キャピタル・パートナーズのブライアン・フランク氏が株式を購入してから1年半がたつ。売り込まれた株式を専門に投資する会社を創設して以来12年間でこれほど長期にわたり市場から遠ざかっていたことはないという。

  株価収益率(PER)は過去の平均を上回り、投資家は勝ち組銘柄を持ち続けるだけのモメンタム戦略でもうけられたにもかかわらず、フランク氏はなぜ遠ざかっていたのか。米国史上3番目の長期上昇相場のなかで心躍る銘柄が見当たらなかったからだと同氏は話す。

  そんな同氏が最近、楽観的になる理由を見いだしている。米株式相場が月間ベースで3カ月連続の下落に向かう中、昨年高騰したアマゾン・ドット・コムやネットフリックスが売り込まれていることが理由の1つだ。バリュー投資という自身の運用スタイルに有利な方向への相場転換を期待しているという。

  フランク氏は「バリュー投資家からみて、過去2年間は企業の利益が減少したものの株式相場は着実に上昇していた。明らかに株式相場は下落する可能性がある」と指摘する。

  利益や資産に比べて割安感のある銘柄を物色するバリュー投資家にとってこの1年は決して容易な運用環境ではなかった。大型のテクノロジー株が優勢で石油・鉱業株が急落した2015年にバリュー投資はモメンタム投資に大きく後れを取ったため、バリュー投資戦略の運用者らは弁明を余儀なくされた。

  しかし2016年の波乱の相場展開で市場の一部に反転が掛かったため、バリュー投資の運用者らは成功の下地ができたと話す。バリュエーションのばらつきが再び見え始めた点がその1つだ。S&P500種株価指数構成企業のPERは過去3年間、米金融当局の刺激策やインデックス投資の影響で同じように上昇したが、ここにきて再び差が拡大し始めており、ストックピッカー(選別買いをする株式投資家)にとって好都合の展開となっている。

  その結果、S&P500種構成の大企業上位50社の中で最も割安な10銘柄のPERは2012年以降で初めて10倍を割り込んだ。ブルームバーグ・データによると、S&P500種のPERは17.3倍で、昨年7月の18.9倍から8.4%低下。ただ、過去10年平均の16.6倍を付けるにはあと4%下がる必要がある。

  フランク氏は「私が再び興味を持つには、企業利益よりも速いペースで株価が下落しなければならない」と述べ、「3カ月前よりも私の視野に入る銘柄は確かに多いが、バリューのわなに陥る恐れもある。つまり、安く見えても質の低い銘柄かもしれないからだ」と語った。
  
  
原題:In Wreckage of Momentum Trades, the Value Stocks Cabal Rejoice(抜粋)

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