565兆円消失の中国株市場、再建を託されたのは劉士余氏-課題山積

  • 前任の肖鋼氏は昨夏の中国株急落を受け、不手際を批判されていた
  • 劉氏は中国農業銀行の会長を務めていた

中国証券監督当局の新たなトップに選ばれた劉士余氏は信頼回復の任務を負っている。前任者の政策失敗により投資家は混乱し、時価総額5兆ドル(約565兆円)を失った中国株式相場の下げは一段ときつくなった。

  劉氏は中国証券監督管理委員会(証監会)の新主席に就き、世界2位の株式市場の監督役を引き受けることになった。前任の肖鋼氏は昨夏の中国株急落を受け、管理の不手際を批判されていた。劉氏は投資家9900万人の意欲を再び向上させる必要があるだけでなく、新規株式公開(IPO)の全面改革のほか、予定されている香港市場との取引接続拡大やMSCI指数への本土株採用に向けた働き掛けなどの指揮を担う。

  オーバーシー・チャイニーズ銀行(OCBC)ウェルスマネジメント調査担当バイスプレジデントのバス・メノン氏(シンガポール在勤)は、「最近の株式相場の混乱は、主に政策の突然の変更によって拡大した。中国は信頼の危機に直面している」と指摘。「海外投資家は、劉氏が市場自由化の方針を撤回することなく、株式市場を着実に安定化させる新たな政策を打ち出せるかどうか様子見姿勢を取るだろう」と述べた。

  肖氏は20日に証監会主席の座を解任された。在任期間は3年足らずだった。レバレッジに関する統制が緩くなったことを背景に、肖主席の下で中国株の時価総額は3倍の10兆ドルに膨らんだ。しかし中国株は昨夏に急落し、影響は世界の金融市場に波及。中国当局はただでさえ成長が鈍化している実体経済への影響を防ごうと前例のない介入を行ってきた。肖氏在任中の証監会の最も顕著な失敗の一つは、株式市場にサーキットブレーカー制度を導入した週に同制度を取りやめたことだった。

  劉氏は国内3位の銀行である中国農業銀行の会長から証監会主席に就任。中国人民銀行(中央銀行)副総裁を務めた経験があり、それ以前は中国建設銀行や国家発展改革委員会(発改委)に在籍していた。北京にある清華大学経済管理学院の修士号を持つ。

原題:Liu Picked to Cure China’s Stock Hurt After $5 Trillion Rout (2)(抜粋)

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