秘密のメモが明かす、ホワイトハウスの個人電話ロック解除戦略

  • 国家安全保障会議(NSC)の決定覚書(DM)で各機関に正式通知
  • 昨年秋にホワイトハウスで秘密の会合、暗号迂回措置を協議

米政府が情報端末のセキュリティー迂回(うかい)を可能にする「バックドア(裏口)」のソフトウエア設置を法律で義務づけないと明らかにし、シリコンバレー各社が胸をなで下ろした2015年秋、ホワイトハウスではもう一つの計画が練られていた。

  11月下旬の感謝祭の頃、ホワイトハウスで開かれた秘密の会議で国家安全保障担当の上級担当者らは多数の米政府機関や関係局に対し、暗号ソフトを破り、厳重に保護されている利用者データにアクセスするための方策を探すよう指示した。米国で最も企業価値の高いアップルの主力製品である「iPhone(アイフォーン)」も、この対象となっている。この決定に詳しい関係者2人が明らかにした。

  このアプローチは国家安全保障会議(NSC)の決定覚書(DM)の形をとって各政府機関に暗号迂回措置の開発を正式に命じ、このための追加予算を概算し、改正が必要と考えられる各種法律を具体的に挙げている。政府が表向きはシリコンバレーとの良好な関係を保ちながら、閉ざされたドアの向こうでは関係悪化につながりかねない戦略を練っていたことが浮き彫りになった。

  こうした動きが初めて表面化したのが16日、カリフォルニア州連邦地裁の判事がアップルに対し、昨年12月に同州サンバーナディーノで14人が殺害された銃乱射事件の実行犯のiPhone5cについて、暗号解除で米連邦捜査局(FBI)に協力するよう命じたことが明らかにされた。アップルのティム・クック最高経営責任者(CEO)は裁判所命令を市民の自由に対する「身も凍るような」攻撃だと非難。命令に従わない意向を明確にした。裁判所の命令はホワイトハウスの決定覚書が直接導いた結果ではないが、広い意味での政府戦略と整合する。

  ホワイトハウスのアーネスト報道官は17日、オバマ政権はこの件についてFBIと司法省を「完全に」支持すると発言。政府が求めているのは「アップルの製品の設計見直しでも、新たなバックドアを設けることでもない」と述べ、「端末一つ」へのアクセスを求めているだけだと主張した。

  NSCのマーク・ストロー報道官はこの覚書についてコメントを拒否したが、オバマ政権高官からの声明を提示。同声明には「この問題は技術的、政治的選択肢では解決不能だとの結論を急ぐべきではない。暗号化された情報にアクセスするメカニズムを作るのは確かに脆弱(ぜいじゃく)性を生む一方で、そうしたリスクの限定につながるような技術やプロセスはあるかもしれない」と記されている。

原題:Secret Memo Details U.S.’s Broader Strategy to Crack Phones(抜粋)

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