【今週の債券】長期金利は低下か、翌日物金利マイナス化で買い圧力

  • 長期金利の予想レンジはマイナス0.04%~プラス0.05%
  • 国内勢はマイナス金利政策下でプラスの年限を買うしかないとの声

今週の債券市場では長期金利が低下すると予想されている。日本銀行のマイナス金利政策開始で、利回り曲線の基点となる翌日物金利が12年ぶり水準まで切り下がり、徐々に買いが長めのゾーンまで波及するとの見方が背景にある。

  長期金利の指標となる新発10年物国債利回りについて、ブルームバーグ・ニュースが前週末に市場参加者3人から聞いた今週の予想レンジは、全体でマイナス0.04%~プラス0.05%となった。前週は一時マイナス0.01%と10日以来のマイナスを付けたが、その後は売りが優勢となって0.005%とプラス圏で引けた。

  岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジストは、「短期金利がマイナスに入り、20年債入札や警戒されていた5年債入札も乗り越え、利回り水準の落ち着きどころが見えてきた」と指摘。「5年金利のプラス化はあり得ず、欧州中央銀行(ECB)のように追加利下げ観測ならマイナス0.2%台の定着もありそう。2年金利はマイナス0.3%台か。10年金利のマイナスも許容されてくる」との見方を示した。

  日銀が先週に初のマイナス金利政策を開始し、無担保コール翌日物金利の加重平均は前週末まで3営業日連続でマイナスとなった。18日にはマイナス0.009%と12年ぶり水準まで低下し、利回り曲線の起点が下がった。

   野村証券の松沢中チーフストラテジストは、今後の日銀政策に関して、「短期金融市場が新しい環境に順応することが先決だ。新しい適正水準で取引がある程度活発にならなければ、追加利下げが困難になる。技術的な制約で利下げが遅れることは、市場のリスクオフ・債券フラット化要因となる」とみる。一方、「財政政策や為替介入が先行して打ち出されることは、基本的にリスクオン・債券スティープ化要因だが、日銀緩和と組み合わせないことには効果は小さいと思われる」と言う。

40年債入札と2年債入札

  財務省は23日午前、40年利付国債入札を実施する。利回り競争入札によるダッチ方式となり、応札は0.5ベーシスポイント(bp)刻みで行う。8回債のリオープン発行となり、表面利率は1.4%に据え置かれる見込み。発行予定額は昨年10月に実施された前回債と同額の4000億円程度となる。

  25日には2年利付国債の価格競争入札が予定されている。表面利率は0.1%に据え置かれる見通し。発行予定額は前回債と同額の2兆5000億円程度となる。

  JPモルガン・アセット・マネジメントの塚谷厳治債券運用部長は、「40年債入札は利回りがプラスなので心配ない。国内勢はマイナス金利政策下で、期間収益がプラスの年限を買うしかない。リターンを求めてプラス金利の年限に向かいやすい。2年債入札も海外勢の需要が強く問題ないだろう」と話した。

予想レンジと相場見通し

  市場参加者の今週の先物中心限月、新発10年物国債利回りの予想レンジと債券相場見通しは以下の通り。

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◎岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジスト
先物3月物=151円00銭-151円90銭
新発10年物国債利回り=マイナス0.03%~プラス0.05%
  「日銀が1月に動いた背景を考えれば、円高・株安が続けば当然に追加緩和とみられるのは仕方がない。追加緩和期待でプラス金利では、慌てて買う流れになりやすい。超長期ゾーンは10年-20年の利回りスプレッドの70ベーシスポイント(bp)割れがポイントになる。じりじりとフラット化しそうだ。緩和期待で投資家の買いが集まれば、新発30年債利回りは過去最低を更新する可能性がある」

◎JPモルガン・アセット・マネジメントの塚谷厳治債券運用部長
先物3月物=151円30銭-152円00銭
新発10年物国債利回り=マイナス0.04%~プラス0.04%
  「利回り曲線はフラットニング圧力が生じると思う。40年債入札は利回りがプラスなので心配ない。国内勢はマイナス金利政策下で、期間収益がプラスの年限を買うしかない。リターンを求めてプラス金利の年限に向かいやすい。キャリーロールダウンでは、10年ー20年ゾーンが割安に見える。2年債入札も海外勢の需要が強く問題ないだろう。昨年10ー12月期の米国内総生産(GDP)統計は、在庫の関係で下方修正になりそう」

◎DIAMアセットマネジメントの山崎信人上席ファンドマネジャー
先物3月物=151円30銭-151円90銭
10年物国債利回り=マイナス0.02%~プラス0.03%
  「マイナス金利の中期ゾーンは国内投資家が不在な中、日銀買い入れを意識した動きや海外勢の動きが中心になる。一方、超長期は20年債が0.7%、30年債が1%超と金利があり、選好されやすい。ゼロ近傍にいる長期金利は難しい立ち位置。マイナスだと買い手がいなくなるが、日銀買い入れもあるため、プラスになれば買いが出てくる。外部環境的にはリスク資産が不安定で不透明感が高い状況は変わっていない一方、年度末の接近で決算絡みの売りも想定される」
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