日本株反発、政策期待や割安感で切り返す-食料品など内需、空運高い

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22日の東京株式相場は反発。今週末の20カ国・地域(G20)会合を前にした政策期待、投資指標面からみた割安感が下支えし、朝方下落の後に切り返した。食料品や陸運、水産・農林、医薬品、サービス株といった内需セクターが買われ、原油安恩恵業種の空運株も高い。

  TOPIXの終値は前週末比8.18ポイント(0.6%)高の1300.00、日経平均株価は143円88銭(0.9%)高の1万6111円5銭。

  みずほ投信投資顧問の青木隆シニアファンドマネジャーは、「1ドル=111円までで来期減益の可能性をいったん織り込んで売りが一巡し、一方的に資金が逃げる局面ではなくなった」と指摘。現在は自律反発狙いの買いと戻り売りとが交錯する中での日柄調整局面にあり、「業績がディフェンシブで安定配当の銘柄など個別を選別する動きになっている」と話した。

  前週末の海外市場で進んだ為替の円高、原油安を嫌気し、売り先行で始まったが、午前半ば以降にプラス転換。日経平均は一時200円以上高くなり、午後も堅調に推移した。中国上海で26-27日に開かれるG20財務相・中央銀行総裁会議では、世界成長見通しの悪化や政策当局の対応方法が主要議題になると事情に詳しい当局者が明らかにした。中国金融市場の混乱や世界の金融システムのセーフティーネットを強化する方法についても話し合われる可能性がある。中国証券監督管理委員会のトップ交代で中国株式市場の後押しに向けた施策が講じられるとの観測から、22日の上海総合指数が上昇したことも投資家心理の改善につながった。

  株価水準が低いだけに、市場ではG20での成果が乏しかった場合でも、新たな売り材料にはなりにくいとの見方が広がっている。SBI証券の藤本誠之シニアマーケットアナリストは、「G20では今回の世界同時景気懸念の大本となった中国が議長国とあって、世界景気の不安感を取り除く何らかの対策が出てきても不思議ではない」と指摘。また、日経平均1万6000万円の水準はPER14倍台に当たり、「過去は14倍割れが長く続かないことが多かったことから、ここから下値は割安という感覚がある」と言う。

  3月末の配当や株主優待といった権利取りに対する意識も徐々に高まる中、業種別で上げをけん引したのは、食料品や陸運など内需関連株だ。SBI証の藤本氏は、相場が底堅さを見せたところで「為替や日本銀行のマイナス金利拡大の影響を受けない業種、自社株買い銘柄中心に買いが向かった」としていた。

  ただ、資源や素材株の一角、銀行株などは終日弱い動きを見せ、株価指数の重しとなった。19日のニューヨーク原油先物は3.7%安の1バレル=29.64ドルと大幅反落、再び30ドルを割り込んだ。同日のニューヨーク為替市場では、1月の米消費者物価指数(CPI)のコア指数が約4年ぶりの大幅な伸びを示したものの、ドル・円相場は一時1ドル=112円31銭と1週間ぶりの円高・ドル安水準に振れた。岡三証券グローバル金融調査部の平川昇二チーフエクイティストラテジストは、「米国は景気がおぼつかない中、賃金インフレから利上げせざるを得ない状況。リスクを取りにくいことで為替が円高に向かうなど、各資産の動きがちぐはぐなのは投資家が迷っているため」とみていた。

  東証1部の業種別33指数は空運、水産・農林、食品、陸運、その他製品、ゴム製品、サービス、医薬品、保険、その他金融など27業種が上昇。鉱業、鉄鋼、銀行、電気・ガス、石油・石炭製品、パルプ・紙の6業種は下落。

  売買代金上位ではファナックやJT、日本航空、ブリヂストン、小野薬品工業、JR東日本、任天堂、花王、ペプチドリーム、トレンドマイクロ、アサヒグループホールディングスが高く、三井住友フィナンシャルグループ、セブン&アイ・ホールディングス、国際石油開発帝石、
JFEホールディングス、ゆうちょ銀行は安い。東証1部の売買高は20億3748万株、売買代金は2兆581億円、代金は前週末から約1割減った。上昇銘柄数は1256、下落は588。

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