メキシコが通貨防衛策、前例のない措置でペソ売りに対抗

  • 緊急利上げや新たな介入プログラムでペソ安歯止め狙う
  • ペソは主要通貨で年初からのパフォーマンスが最悪

メキシコ政府による通貨ペソ防衛のための前例のない措置が幸先の良いスタートを切った。

  メキシコ当局は政策金利を引き上げるとともに、ボラティリティ抑制のための新たな方法の為替介入、政府支出の削減を発表した。これを受け、ペソは17日の取引で5年ぶりの大幅上昇となり、18日にはさらに0.5%上げた。当局が今回の措置を発表するまで、ペソは年初から8.9%下落し、主要通貨で最悪のパフォーマンスとなっていた。投資家が新興国資産を売却する中、過去1年半では31%下げていた。

  メキシコは、国内総生産(GDP)伸び率の4年連続加速が予想されるほか、自動車生産を中心に好調な製造業、記録的低水準に近いインフレ率など、経済が比較的健全な状態にある。その一方でペソは他のほとんどの通貨よりも大きく売り込まれている。流動性の高さと借り入れコストの低さにより、リスクヘッジを目指すトレーダーにとってペソが使い勝手のよい通貨であるためで、これが原油安や世界経済鈍化をめぐる懸念の影響を他の通貨よりも大きくしている。

  メキシコ銀行(中央銀行)は17日、政策金利である翌日物貸出金利を0.5ポイント引き上げ3.75%とした。バークレイズによると、同中銀による緊急会合での利上げは初めて。カルステンス総裁とビデガライ財務公債相の声明によると、原油安に対処するため政府と国営石油会社が今年の支出計画について、GDPの0.7%に相当する削減を行う。メキシコ政府は歳入の約5分の1を原油販売に依存している。

  同中銀は2014年12月以降、日々の入札で時には最大4億ドル(約450億円)のドル売り・ペソ買いを行ってきたが、モルガン・スタンレーなどのストラテジストは、増大する弱気ムードに対抗するにはあまりにも予測可能で規模が小さ過ぎると指摘していた。17日に発表された新たな介入計画によると、同中銀はボラティリティが過度に高まった時には、銀行にドルを直接売却する。

原題:Mexico Battles Emerging-Market Bears With Surprise Peso Defense(抜粋)

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