長期金利が一時マイナスに低下、日銀オペ結果良好や株安・円高で買い

更新日時
  • 先物は11銭高の151円49銭で終了、一時151円68銭と1週間ぶり高値
  • 新発20年債利回り0.70%と最低、長期金利マイナス0.01%まで下げる

債券相場は上昇。長期金利は約1週間ぶりにマイナス圏に低下する場面があった。翌日物金利の低下基調や株安・円高に加えて、日本銀行の長期国債買い入れオペで需給の良さが示されたことが買い手掛かりとなった。

  19日の現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の341回債利回りは、日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値より1.5ベーシスポイント(bp)下回る0.00%で開始。午後に入ってマイナス0.01%を付け、過去最低に並んだ10日以来のマイナス圏に突入。その後はマイナス圏から抜け出し、0.005%で推移している。

  新発2年物の361回債利回りは0.5bp低いマイナス0.195%で始まり、一時マイナス0.22%まで低下した。新発5年物の126回債利回りは横ばいのマイナス0.15%で始まり、マイナス0.175%まで下げる場面があった。新発20年物の155回債利回りは2bp低い0.70%と過去最低水準を更新し、その後は0.71%に戻している。

  JPモルガン・アセット・マネジメントの塚谷厳治債券運用部長は、「2月の準備預金積み期間が始まって、短期金融市場でもマイナス金利が付き始めたことを織り込む動き。前週末に債券は若干売られたが、安心感が出て買いが入っている」と指摘。「通貨スワップ取引から見ると、日本国債市場は割安。海外勢からの需要が強く、サポートとなっている」と語った。

  ゼロ%を挟んで推移した長期金利について、DIAMアセットマネジメントの山崎信人上席ファンドマネジャーは、「難しい立ち位置。マイナスだと買い手がいなくなる。とはいえ、日銀の買い入れもあるため、プラスになれば買いが出てくる」と説明。「外部環境的にはリスク資産が不安定で不透明感が高い状況は変わっていない一方で、年度末も近づいていることから決算絡みの売りも想定される。全体的にレンジ感が強まるのではないか」と言う。

  長期国債先物市場で中心限月3月物は、前日比13銭高の151円51銭で開始。一時は151円68銭と12日以来の高値を付けた。取引終了にかけて伸び悩み、11銭高の151円49銭で引けた。

  バークレイズ証券の押久保直也債券ストラテジストは、「ポジティブ金利を求める動きが金利を押し下げている。10年債がゼロ近傍で推移する中で、年限を伸ばす需要があり、そういう意味でも20年債は選好されやすい。20年債利回りも利下げ前の0.90%程度からちょうど20bp低下しており、先行して下がった短中期債に追い付いてきた印象」と述べた。

  この日の短期金融市場では無担保コール翌日物が国内銀行間でマイナス0.005%で取引が成立した。18日の翌日物の加重平均金利はマイナス0.009%と12年ぶりの低水準。日銀がマイナス金利政策を16日から本格的に開始し、利回り曲線の起点となる翌日物金利が連日でマイナスとなり、国債利回り全体に低下余地が広がっている。

日銀買い入れオペ

  日銀が実施した今月7回目となる長期国債買い入れオペ(総額1.27兆円)の結果によると、残存期間1年超3年以下の応札倍率は1.95倍、3年超5年以下は3.57倍とともに前回から低下した。一方、5年超10年以下は2.44倍に上昇したが、2倍台にとどまった。

  ドイツ証券の山下周チーフ金利ストラテジストは、「債券市場では活発に売買があって買われている様子ではないが、日銀オペの結果も強かったし、需給面のタイト化が意識されやすい状況」と述べた。

  18日の米国債相場は上昇。米10年債利回りは前日比8bp低下の1.74%程度で引けた。米株式相場の下落をきっかけに買いが膨らんだ。S&P500種株価指数は同0.5%安で終了した。この日の東京株式相場は下落。日経平均株価は同1.4%安の1万5967円17銭で終えた。東京外為市場では円が1ドル=112円台まで円高・ドル安が進んだ。

  岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジストは、「日銀が1月に動いた背景を考えれば、円高・株安が続けば当然に追加緩和とみられるのは仕方がない」と指摘。「短期金利がマイナスに入り、20年債入札や警戒された5年債入札も乗り越え、利回り水準の落ち着きどころが見えてきた」と話した。

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