石田日銀委員:このタイミング導入も効果期待できず-マイナス金利

  • イールドカーブをさらに引き下げても経済に対する刺激効果は限定的
  • ポートフォリオリバランス効果についても「限定的ではないか」

日本銀行の石田浩二審議委員は福岡市内の講演で18日、「一言で言えば、このタイミングでマイナス金利を導入しても、その効果は期待できない」と述べて、日銀金融政策決定会合での決定に反対した理由を説明した。

  石田委員は「イールドカーブをさらに引き下げても、経済に対する刺激効果は限定的ではないか」と指摘。その背景として「貸出金利の下がる余地は限られる」として、「民間の金利はこれまでも大きく下がっているので、必ずしも設備投資の増加につながっていると思えない部分もあった」と述べた。

  よりリスクの高い資産へのシフトを促すポートフォリオリバランス効果についても、「限定的ではないかということで反対した」と語った。同効果として一番大きいのは貸し出しだが、「限界的に貸し出しが大きく伸びていくのはなかなか難しいだろう」と指摘。海外等で貸し出しを増やしても、「国内の経済活動にはあまり貢献しないのではないだろうか」と述べた。

  石田委員は副作用については具体的に言及しなかったが、「いろいろな人がいろいろなことを可能性として挙げている以上、よほどの効果がはっきりしてないと、やるということはなかなか合理的なことではないのではないか」と語った。また、「市場が非常に不安定な時に、さらにやるのはいかがか、という気持ちもないことはない」と述べた。

  さらに、同日行った地元財界人との会合では、「マイナス金利の導入について、デフレ脱却に向けた強い姿勢を示したとの意見や、前向きな資金需要が出てくることに期待するという意見があった一方で、金融機関の収益への影響を懸念する声や、その効果を慎重に見極めつつ適切な金融政策運営を行ってほしいとの要望があった」としている。

  日銀は先月29日の会合で、日本で初めてとなるマイナス金利の導入を5対4の賛成多数で決定した。石田委員は「これ以上の国債のイールドカーブの低下が実体経済に大きな効果をもたらすとは判断されない」として、木内登英、佐藤健裕、白井さゆりの3審議委員とともに反対に回った。

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