日銀総裁:投資家リスク回避姿勢「過度に拡大」-必要なら追加緩和

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日本銀行の黒田東彦総裁は18日、国際金融市場の動きが経済や物価に与える影響を注視する意向を示した上で、必要に応じてマイナス金利拡大を含む金融緩和措置を追加する方針を示した。

  参院財政金融委員会の半期報告で黒田総裁は「世界的に投資家のリスク回避姿勢が過度に広まっている」として、市場の経済・物価に与える影響について「しっかりと注視していく方針だ」と述べた。その上で物価安定の目標のために必要な場合には「量、質、金利の3つの次元で追加的な金融緩和措置を講じる」と語った。

  日本経済は内需増や輸出が減速を脱することで、基調として緩やかに拡大していくとみている。原油価格上昇を前提に2017年度前半頃に物価も目標の2%程度に達すると予想している。それでも年初来の不安定な市場の動きが、企業コンフィデンスや人々のデフレマインドへの悪影響を通じて物価の基調を左右するリスクが増大している、と黒田総裁は見ている。

  日銀はこのリスク顕在化を防ぐためにマイナス金利導入を1月29日に決定した。黒田総裁は「国債のイールドカーブは低下して政策効果は現れている。今後効果は実体経済や物価面にも、着実に波及していくものと考えている」と述べた。さらに経済・物価情勢を踏まえて追加緩和に踏み切る姿勢を示した。

上海G20

  市場の動向について黒田総裁は「年初来、過度な面があったのではないか」、「為替、株がかなり不安定になっていたのは事実」などとの認識を示して「国際金融資本市場の動揺が収まっていない」とも述べた。背景としては「米金利引き上げテンポに不安、不透明感出てきた」という点などを答えた。同時に金融政策は物価目標早期実現が狙いだとして、株価維持や為替相場が目標ではないことを強調した。

  中国・上海での20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議では、国際金融市場の不安定な動きを議論するとしている。必要応じて協調的な行動が重要とも黒田総裁は述べた。

  マイナス金利導入に際して黒田総裁は、金融機関とも常に意見交換しているとして金融システムや金融市場の動向注視していることを示した。またマイナス金利を導入しても「国債買い入れに何ら支障は生じていない」と語った。預金金利はマイナスになることはないと思っているとしている。

  経済政策に際しては「政府に引き続き適切な財政政策、成長戦略の実行を期待する」との考えを示し、民間主導の経済成長達成を期待したいとの意向を述べた。

(第5段落以降に市場動向についての発言を追加して更新します.)
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