米アップルと司法省の対立鮮明、テロ容疑者のiPhone暗号解除で

  • 米司法省は1789年に制定の「全令状法」を根拠に協力要求
  • アップルは5営業日以内に裁判所命令への対応を示す必要

米アップルはテロ事件の容疑者が使用していた「iPhone(アイフォーン)」のセキュリティー機能解除で支援を求める米捜査当局に対し、「持っていないものを出させようとしても無理だ」という趣旨のメッセージを送った。

  米捜査当局は米カリフォルニア州サンバーナディーノで昨年起きた14人が死亡の同事件で、実行犯とされるサイド・ファルーク容疑者のロックされたアイフォーンにアクセスしたいとして、1789年に制定された「全令状法」を持ち出した。だが、アップル側はアイフォーンの暗号を解除する鍵の作成を無理強いすることはできないと主張し、当局への協力を命じた16日の裁判所命令に従わない意向を表明した。

  アップルは5営業日以内に裁判所命令への対応を示す必要があり、主張が通らない場合は地裁判事や控訴裁、連邦最高裁に訴えることも可能。事情に詳しい関係者1人によると、同社は同姓婚を禁止する州法をめぐり連邦最高裁で違憲判決を勝ち取った実績などを持つ弁護士テッド・オルソン氏を起用しているという。

  弁護士や専門家は、アップルには強力な論拠があると話している。

  1994年通信傍受支援法は裁判所に設計変更命令を許可するもので、通信事業者には適用されているが、アップルやグーグル、マイクロソフトなど新しい世代のテクノロジー企業は適用外となっている。

  16日の裁判所命令はアップルにアイフォーンのロック解除や連邦捜査局(FBI)によるロック解除の支援を命じるものではないが、連続して間違ったパスコードを入力するとデータを自動消去するセキュリティー機能に対し、それを無効にするソフトをFBIに提供するよう求めている。米ジョージダウン大学ローセンターのアルバロ・ベドヤ教授は、「アップル社内にこの鍵が転がっているわけではない」と述べ、アップルが「強要されているのは(アイフォーンの)弱点をつくり」、危険な前例を残すことだと指摘した。

  アップルのティム・クック最高経営責任者(CEO)は16日のブログへの投稿で、裁判所命令は市民の自由に対する「身も凍るような」攻撃だと指摘した。事情に詳しい関係者1人によると、アップルはコンピューターのコードは言論だとする判例を踏まえ、言論の自由などを定めた米国憲法修正第1条を論拠に争う可能性もあるという。
  
原題:How Apple Will Fight U.S. Over Access to Terrorist’s iPhone (1)(抜粋)

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE