ベネズエラ:ガソリン値上げと通貨切り下げを発表-経済危機深刻化で

  • 主要輸入品に適用の為替レートを37%引き下げ
  • ガソリン20年ぶり値上げで補助金向け支出の削減目指す

ベネズエラは17日、ガソリン価格をほぼ20年ぶりに値上げするとともに、通貨ボリバルの切り下げに踏み切った。マドゥロ大統領は3桁に達しているインフレ率とここ10年で最も深刻なリセッション(景気後退)への対応を図っている。

  マドゥロ大統領は同日のテレビ演説で、ベネズエラ政府は食品・医薬品などの輸入必需品に適用される主要為替レートを1ドル=10ボリバルと、従来の同6.3ボリバルから引き下げると発表した。ベネズエラ政府はまた、中間の1ドル=約13ボリバルの為替レートを廃止し、代替となる「副次的な変動相場制」を改善する。同市場では1ドル=約203ボリバルで取引されている。

  通貨切り下げにより国営ベネズエラ石油(PDVSA)のボリバル建て石油収入が増え、歳入の落ち込みが抑制されるとともに、ガソリン値上げによって補助金向け支出が減少する見通しだ。一方、通貨切り下げにより政府はコメやパンなど主食となる食品の値上げを余儀なくされる可能性が高い。

  マドゥロ大統領は「かなり前に誘発された非合法で無秩序なインフレに直面し、市場を管理し規制するために国家権力を使って行動しなければならない」と述べた。

  野村証券インターナショナルの中南米債券事業責任者シボハン・モーデン氏は、マドゥロ大統領の演説前に顧客向けに発表した文書で同大統領の政策について、不振にあえぐベネズエラ経済に十分に対処することはできないかもしれないが、発表は「数カ月(数年)にわたって何も対策が取られなかった後、若干の安堵(あんど)感をもたらす」かもしれないと指摘した。

  ガソリン価格値上げでは、18日からオクタン価95のガソリンを1リットル当たり6ボリバルと、9.7センタボ(1センタボはボリバルの100分の1)から60倍超にする。法定為替レートの下限である1米ドル=202.94ボリバルで換算すると、値上げ後の価格は1ガロン当たり約11セントに相当する。従来価格は1ガロン当たり約0.2セントだった。オクタン価91のガソリンは1リットル当たり7センタボから1ボリバルに値上げされる。ただ、この値上げ後でも、ベネズエラのガソリン価格は世界で最も低い水準にとどまる。

  ベネズエラの燃料価格は20年にわたって据え置かれていた。1989年2月の食品・ガソリン値上げをきっかけに全国で抗議行動が起こり、最終的には故チャべス前大統領の台頭につながった。チャベス前大統領は「カラカス暴動」と呼ばれるこうした抗議行動の再発を恐れ、14年間の在任中にガソリン価格を値上げすることはなかった。

原題:Venezuela Boosts Gas Price, Devalues Bolivar as Economy Unravels(抜粋)

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