経済変調で政権運営に影、支持率低下なら衆参同日選の判断に影響か

  • 株価乱高下、「少し曇り空になってきた」と評論家の有馬氏
  • アベノミクス破綻との指摘に「全く当たらない」と安倍首相反論

昨年10-12月期の実質国内総生産(GDP、速報値)が2期ぶりのマイナス成長を記録したことや株価の乱高下など経済の変調が安倍晋三首相の政権運営に影を落としている。首相は今夏に衆参同日選挙に踏み切るとの見方が政界や専門家の間に昨年来出ているが、内閣支持率が低下すればその判断に影響するとの指摘もある。

  政治評論家の有馬晴海氏は安倍政権の戦略について「アベノミクスの中でやれることはやって憲法改正に向かうべくダブル選挙やるぞと思って動いていた」ものの、株価の乱高下などで「少し曇り空になってきた感じはある」と指摘。仮に内閣支持率が低迷すれば、同日選挙を断念する可能性はあるとの見方を示した。

  読売新聞が12日から14日にかけて行った世論調査で安倍内閣の支持率は52%で1月30日から31日実施の前回調査より4ポイント、朝日新聞による13、14両日の調査でも40%と1月の前回調査より2ポイントそれぞれ低下した。両紙が16日付の朝刊で報じた。読売の調査では安倍内閣の経済政策を「評価する」とした人は前回の47%から39%に下がった。

衆参同日選

  安倍首相は2014年11月に消費増税を延期を決断した上で衆院を解散。12月の衆院選で大勝し、15年9月に予定されていた自民党総裁選で無投票再選する流れをつくった。共同通信によると、自民党の二階俊博総務会長は1月9日、衆参同日選があるかもしれない、と発言。首相に近い下村博文総裁特別補佐も2月7日、フジテレビの番組で同日選も含めた衆院の解散は「年内に90%ぐらいの可能性で私はあるという前提で考えた方がいいのではないか」と述べていた。

  ところが、衆院予算委員会などで野党側は甘利明前経済再生担当相の金銭授受疑惑や丸川珠代環境相の失言問題などを繰り返し追及。自民党に所属していた宮崎謙介前衆院議員の不倫疑惑も報じられ、同氏は議員辞職した。日経平均株価は12日、1年4カ月ぶりに1万5000円を割り込んだ。

  16日午後の衆院本会議では、共産党の宮本岳志氏が実質GDPのマイナス成長などを挙げ、「アベノミクスの破綻は明らかだ」と安倍政権を批判。これに対し、安倍首相はマイナス成長は記録的な暖冬の影響が背景にあると指摘した上で、「アベノミクスが破綻しているとのご指摘は全く当たりません。雇用、所得環境の改善が続く中、消費者マインドも持ち直し、個人消費も持ち直していくことが期待されます」と反論した。

補欠選挙

  有馬氏は安倍首相が衆院解散を判断する一つの基準として4月24日投票の衆院北海道5区、京都3区の補欠選挙を挙げる。特に民主、共産などの野党が候補者の一本化を模索している北海道5区で与党候補が勝利すれば、野党の選挙協力がうまくいっていないことを確認できると指摘した。

  明治大学国際総合研究所の奥村準客員研究員は、安倍首相にとって待ちの姿勢は得策ではないと分析している。仮に年内の衆院解散に踏み切らなかった場合、18年までの残り任期は弱体化した基盤の上での政権運営を強いられるだろうとの見方を示す。

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