ブラックロック:ファンドの流動性危機の不安を当局が誇張-リポート

  • 39兆ドルの債券発行残高のうちファンドの保有はごく一部と指摘
  • 値下がりすれば、「質の高い」債券を買う投資家も出てくると予想

ファンドが大量償還で保有債券の処分に一斉に動かざるを得なくなれば、次の金融危機を招くとの懸念について、世界最大の資産運用会社ブラックロックは、監督当局が市場のある部分から導き出した不当な結論に基づくものだと主張した。

  ブラックロックは債券市場の流動性に関する調査リポートで、米連邦準備制度理事会(FRB)の集計データを引用し、39兆ドル(約4478兆円)の債券発行残高のうち、オープンエンド型のミューチュアルファンドが保有しているのは約5兆ドルだと指摘した。バーバラ・ノビック副会長を中心とするブラックロック幹部が執筆したリポートによると、残りは目的や優先順位が異なるさまざまな投資家クラスが保有しており、相場急落時に値下がりすれば、「質の高い」債券に買いを入れる投資家が出てくることも予想される。

  流動性が低下する現在の金融市場で、相場急落に耐える十分な能力があるか監視を強める監督当局の動きに資産運用各社は反発している。資産運用業界は、資本要件が導入されればコストを押し上げる恐れがあると懸念し、流動性を提供する新たなソースが得られたことで危険は低下したと主張する。

  ブラックロックはリポートで、「市場リスクはシステミックリスクと同じではない。ある程度の市場のボラティリティ(変動性)は普通であり、投資家もこれを歓迎する。ミューチュアルファンドの価格は変動が見込まれるが、投資家はそれが分かった上でリスクを負っている」との見解を示した。

  さらに監督当局が規則を行使し、新たに面倒な要件を課すのではなく、既に導入されたルールに照らして債券市場の構造を検証すべきだとした上で、大量償還など危機に対処する手法を全ての当事者が確実に共有できるルールの改定を行う一方、ストレステストは個別のファンドに限定すべきだと訴えた。

原題:BlackRock Says Regulators Overdo Fund Liquidity Crisis Concerns(抜粋)

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE