プーチン露大統領が協調減産に踏み出さない背景に実際的理由

  • 輸送を止めれば油田生産能力低下やパイプライン損傷につながり得る
  • ロシア石油業界の関係者が電子メールで指摘した

ロシアのプーチン大統領はリセッション(景気後退)と歳入の急減という苦しい状況下でも、石油輸出国機構(OPEC)との協調減産に踏み出そうとはしなかった。その真の理由は政治ではなく、実際的なものかもしれない。

  ロシアのエネルギー相がサウジアラビアの石油鉱物資源相と16日にカタール・ドーハで協議することが関係者の話で明らかになったが、仮に協調減産が国益にかなうとプーチン大統領が判断したとしても、実際に減産に乗り出すまでにはいくつもの障害が存在する。原油輸送量を減らした場合、油田・ガス田の生産能力低下やパイプラインの損傷につながる恐れがあるほか、新たに高価な貯蔵タンクが必要になったり、時間がかかり過ぎる可能性があるからだ。

  多くの油田があるシベリア地方では冬季の気温がマイナス40度よりも下がることがある。石油業界で10年強の経験があるミハイル・プシェニツィン氏が電子メールで明らかにしたところによれば、生産された原油とガスには水が混ざっているため、ポンプが停止すればパイプが凍結する恐れがある。夏季にはこうした問題は生じないが、生産を停止した貯留層は塩や残留物で汚染され得るため長期的に生産能力が減少するリスクがあるという。

  また減産の代わりに貯蔵しようとしても同国では設備が不足している。エネルギー金融研究所のウラジミール・フェイギン所長は電話インタビューで、長期貯蔵のためのタンク設置には巨額の資金が必要となる上に時間がかかると指摘した。

Vladimir Putin. Photo credit should read Alexander Zemlianichenko/AFP via Getty Images

原題:Putin’s Reward for Doing a Deal With OPEC Overshadowed by Risks(抜粋)

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