ドル・円は114円台半ば、リスク回避圧力緩和-当局の政策対応見極め

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  • 一時114円87銭、4営業日ぶりの水準までドル高・円安が進行
  • マーケットの急V字回復、十分あり得る-三菱UFJ信託銀

16日の東京外国為替市場では、ドル・円相場が1ドル=114円台半ばで推移。中国経済や原油相場の先行き懸念が緩和したことを背景にリスク回避の動きが後退し、円買い圧力が弱まった。

  午後3時40分現在のドル・円相場は114円56銭付近。日本株の反落スタートを受けて114円台前半まで水準を切り下げた後、株価の持ち直しを受けて一時は114円87銭と4営業日ぶりの水準までドル高・円安が進んだ。

  三菱UFJ信託銀行ファンド営業課課長の酒井聡彦氏は、中国の旧正月中にマーケットがいったんかなり下攻めをしていたが、月内に中国で開かれる主要20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議や3月には日欧の金融政策決定会合を控え、「政策当局者の対応がかなり注目されてくる」と指摘。当局の対応としては、「アセットマーケットの底割れはこのタイミングでは防ぎたいというのが主な趣旨だと思う。急V字回復するということも十分ある」とし、ドル・円は115円の攻防というのが一つのポイントになってくるとみる。

  この日の東京株式相場は日経平均株価が反落して始まった後、プラス圏に浮上。午後の取引で上げ幅が一時300円を超えたが、その後は伸び悩み、31円85銭高の1万6054円43銭で引けた。中国では上海総合指数が反発し、一時3%を超える上昇となっている。

  IG証券の石川順一マーケットアナリストは、110円台までドル安・円高が進んだ後、2日連続で日足の陽線が出現しており、「円高基調に一服感が漂っている」と説明。産油国の間で原油減産に向けた協調行動が出始めていることや、中国の政策期待もあり、目先は中国と日本の株価上昇を背景に「リスク回避ムードになりにくい」と話す。

  中国の李克強首相は15日の国務院の会議で、最近の世界経済の逆風や株式相場の波乱により同国が大きな課題と「新たな不確実性」に直面しているとの見解を示した。同国紙の新京報の報道を国務院のウェブサイトが掲載した。

  一方、サウジアラビアの石油相は16日にロシアのエネルギー相と石油市場について協議する計画だ。事情に詳しい関係者が明らかにした。ニューヨーク原油先物相場はアジアの時間外取引で、大幅上昇している。

  三井住友銀行市場営業部為替トレーディンググループの呉田真二グループ長は、「ドル・円の需給面では、一度110円台を付けた相場だけに、今反発局面の115円近辺では年度末を意識した円転需要なども出てくるとみられ、上値抑制要因となる」と説明。「現在の反発をリスクオンの回復とみるのは時期尚早だろう」と言い、ドル・円は110-115円のレンジ相場が続くとみている。

ドラギECB総裁の発言でユーロ下落

  欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は15日、ブリュッセルの欧州議会で証言し、「最近の金融波乱を踏まえ、当中銀の金融刺激が金融システム、特に銀行を通じて伝わる状況を分析する」と話した。加えて、エネルギー価格の下落再開についても検証し、「この2つの要素のいずれかが物価安定に下方向のリスクをもたらせば、われわれは行動することをためらわない」と述べた。

  ドラギ総裁の発言を受けて、前日の海外市場ではユーロが売られ、ユーロ・ドル相場は一時1ユーロ=1.1128ドルと、8日以来の水準までユーロ安が進行。同時刻現在は1.1156ドル付近で推移している。

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