日本株続伸、原油や欧州銀行、円高懸念和らぐ-金融、ソフバンク上昇

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16日の東京株式相場は続伸。国際原油市況や欧州銀行の信用問題、為替の円高に対する懸念が引き続き和らいだほか、中国株の上昇も投資家心理にプラスに働いた。銀行や保険、証券株など金融セクターが買われ、不動産や鉄鋼、商社株も高い。大規模な自社株買いを行うソフトバンクグループはストップ高となった。

  TOPIXの終値は前日比4.78ポイント(0.4%)高の1297.01、日経平均株価は31円85銭(0.2%)高の1万6054円43銭。

  みずほ投信投資顧問の清水毅チーフストラテジストは、「マイナス金利による金融機関の収益悪化、欧州の金融システム不安などで過度な悲観がまん延していたが、そこまでではないと分かり、先週まで過度に売った修正が入っている」と言う。春節明け後の中国株も、「相当下がると思われていたが、それほどではなく、落ち着きを取り戻している」と話した。

  15日の欧州株は銀行、自動車株中心に高く、ストックス欧州600指数が3%高と続伸。格付け会社のムーディーズは、ドイツ銀行はリスクの高い「その他Tier1債」(AT1債)の利払いをことし、来年も履行できるとの見方を示した。欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は同日の議会で、最近の金融情勢やエネルギー価格の動向を検証し、「この2つの要素のいずれかが物価安定に下方向のリスクをもたらせば、行動することをためらわない」と述べた。

  15日のニューヨーク原油先物は電子取引でほぼ1週間ぶりに1バレル=30ドル台を一時回復。サウジアラビア石油相は16日にロシアエネルギー相と石油市場について協議する計画だ、と事情に詳しい関係者がブルームバーグに対し明らかにした。アジア時間16日の時間外でも上昇。きょうのドル・円相場はおおむね1ドル=114円50ー80銭台での推移と、前日の日本株市場の終値時点113円92銭に比べ円安方向に振れた。

  また、きょうの上海総合指数は0.5%高で始まった後、上昇率は3%を超えた。中国1月の経済全体のファイナンス規模は3.42兆元と、市場予想の2.2兆元を上回った。人民元中心レートは1ドル=6.5130元、前日は6.5118元だった。中国紙の経済参考報は、中国当局が2016年に金融と財政、税制などに関する政策パッケージを発表する見通しと伝えている。

日経平均高安は531円

  この日の日本株は、前日に1000円以上急騰した反動から日経平均は反落して始まり、朝方に200円以上下げる場面があったが、海外市場や原油、為替の落ち着きを受けた投資家心理の改善を背景にプラス圏に浮上。午後には300円以上高くなった。ただし、取引終了にかけては急速に伸び悩み。高安差は531円98銭と、過去半年の平均329円を上回るなど荒さが残った。みずほ投信の清水氏は、「最終的にはグローバルな景気が大丈夫という確信が持てないと、本当に底が入ったという感じにはなれない」としている。

  日経平均の10日平均ヒストリカル・ボラティリティは60.2と、東日本大震災のあった11年3月以来の高水準となった15日の59.77からさらに上昇した。

  一方、日本銀行のマイナス金利の適用がきょうから開始。各金融機関の昨年の年間平均残高に相応する日銀当座預金は従来通り0.1%、所要準備額に相当する残高や貸出支援基金残高に相応する準備額などはゼロ%が適用される。ただし、きょうの銀行株には目立った悪影響は及ばなかった。

  東証1部33業種は保険、不動産、鉄鋼、証券・商品先物取引、鉱業、銀行、情報・通信、卸売、その他金融など19業種が上昇。食料品や電気・ガス、陸運、水産・農林、空運、金属製品、建設など14業種は下落。東証1部の売買高は31億5864万株、売買代金は2兆8848億円。上昇銘柄数は965、下落は873。

  売買代金上位では、5000億円を上限に自社株買いを行うソフバンクが急騰。野村証券では巨額の自社株取得はサプライズで、株価に非常にポジティブなアクションと指摘した。三菱UFJフィナンシャル・グループやマツダ、三井不動産、日立製作所、シスメックス、楽天、JFEホールディングス、三菱重工業、東芝、ケネディクスも高い。半面、ファナックやファーストリテイリング、NTT、JT、オリエンタルランド、日本航空、JR東日本、電通は下げ、16年12月期営業利益計画が予想を下回ったキリンホールディングスも安い。

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