スタッツ橋都氏:変動率上昇で日本株ヘッジファンド「恵まれた状況」

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  • 昨夏以降、株式市場に「普通のボラティリティー」戻る
  • リスクオフの動きしばらく続く、マイナス金利受け株主還元強化も

スタッツインベストメントマネジメントの橋都亨最高投資責任者(CIO)はブルームバーグとのインタビューで、国内株式市場について「昨夏から普通のボラティリティーがある市場に戻った」と指摘し、ロング・ショート戦略のファンドにとって「恵まれた状況」との認識を示した。

  スタッツは買い持ち(ロング)と売り持ち(ショート)を組み合わせた運用戦略を主力とする国内ヘッジファンド。「ギンガ・サービス・セクター・ファンド」では情報・通信やサービス産業に特化した約150銘柄に投資しており、運用額は270億円を超える。

  ギンガのリターンは2006年の運用開始から10年連続でプラスを維持、15年は14.7%だった。東証株価指数(TOPIX)がマイナス7.5%だった1月も1.5%のプラスを保っている。日本の株式相場は第2次安倍政権から約2倍に上昇した後、中国や世界経済の先行き不安から年初来で2割近く下落している。

  橋都氏はリーマンショックなど市場混乱のあった年もプラスだったと指摘した上で、投資判断について「常日頃から見ている銘柄の中でポジションを取るだけ。良い時もあれば悪い時もあり、その会社の株価が安くなってきたら買い、高くなったら売るだけだ」と話す。

マイナス金利、株主還元強化迫る

  ギンガの組み入れ比率上位は、ロングではフリーマーケットアプリ人気で取引が増えている決済代行のウェルネット、企業ニーズが増えている製造系・技術系派遣のアウトソーシング、入場者数・客単価とも上昇しているオリエンタルランドなど。ショートでは世界的普及が一巡したスマートフォン関連銘柄などだ。

  エクスポージャーは市場動向に左右されず、常にロングとショートを差し引き引いたネットロング(買い越し)で20%程度を維持する。橋都氏は12年12月の安倍政権発足以降、昨夏までの株式市場について、上昇が続く「ちょっと特殊な時期」だったと振り返った。

  橋都氏は昨夏以降の市場について「株式投資はノーリスク」との前提だった多くの投資家が「ボラティリティーの上昇で出て行く動きが始まっている」と話す。こうしたリスクオフの行動は「しばらく続く」とみて、リスク管理の重要性を指摘した。同ファンドでは10%以上のリスクは取らない方針を堅持している。

  日本銀行によるマイナス金利導入の影響について橋都氏は、手元資金が潤沢な日本企業が多い中、株価収益率(ROE)の改善への取り組み強化が「この2年くらいの流れ」と指摘。マイナス金利で経営者には「キャッシュを使わないとだめという圧力はかかる」という。「株主還元や自社株買いがより進むだろう」と見通した。

(TOPIXと分析グラフを追加しました.)
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