円が全面安、対ドルで一時114円台-世界的な株反発でリスク回避緩和

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  • 午後には一時114円10銭、10日以来の水準までドル高・円安進行
  • 日経平均株価は一時1200円超上昇、終値で1万6000円台を回復

15日の東京外国為替市場では円が全面安となり、対ドルで一時3営業日ぶりの1ドル=114円台まで下落した。世界的な株価の反発で過度のリスク回避ムードが和らぎ、円を売る動きが優勢となった。

  午後4時10分現在のドル・円相場は113円90銭前後。朝方にはドルが伸び悩む場面も見られたが、前週末の欧米株に続いて日本株が大幅反発し、春節明けの中国株も底堅く推移する中、午後には一時114円10銭と10日以来のドル高・円安水準を付けた。円は主要16通貨全てに対して前週末終値比で下落。世界的なリスク回避ムードの高まりを背景に先週は全ての通貨に対して上昇し、11日には対ドルで一時2014年10月末以来となる110円台まで円高が進んだ。  

  外為どっとコム総合研究所の石川久美子研究員は、先週末の欧米株が堅調で、春節明けの中国としては「自分たちがいない間にリスクオフムードも一巡してしまった感が出ていると思う」と指摘。もっとも、為替も株も「これまでの下げに対する調整反発の範囲」を出ておらず、このままリスクセンチメントが好転していくかは分からないと語った。

  安倍晋三首相は15日の衆院予算委員会で、「急激な相場変動は望ましくないと考えている。財務大臣には引き続きしっかりと見てもらい、必要に応じ適切に対応してもらいたい」と述べた。

  15日の東京株式相場は4営業日ぶりに大幅反発し、日経平均株価は前週末比1069円97銭高の1万6022円58銭で取引を終えた。一時は上昇幅が1200円を超える場面もあった。米国の米小売売上高が予想を上回ったことや原油相場の大幅高を受けて、欧米株が反発した先週末の流れが続いた。

  春節明けで動向が注目された中国株式相場も下落して始まったが、その後下げ渋る展開となった。石川氏は、「中国の貿易収支の中身は良くなかったが、上海株も下げ幅縮小方向で、株が堅調に推移していることの方を取ってしまった感じ」と説明。その上で、ドル・円については115円までしっかり戻せるかが大きなポイントになってくるとし、115円台にしっかり乗せ切れないと「もう一度円高方向に転換してしまう可能性がある」と指摘した。

  中国が15日発表した1月の輸出(人民元建てベース)は前年同月比6.6%減少で、輸入は同14.4%減少と1年3カ月連続の前年割れとなった。

  一方、朝方発表された日本の昨年10-12月期の日本の実質国内総生産(GDP、速報値)は、前期比年率1.4%減と事前予想(同0.8%減)を下回り、2期ぶりのマイナス成長となった。

  クレディアグリコル 尾形和彦チーフエコノミストは、消費が予想より下振れしたほか、純輸出の寄与度が予想外に小さく、特に財・サービスの輸出がマイナスの伸びとなったのはサプライズだったと指摘。「今回の結果を受けて、日銀の金融政策の見方については、メーンシナリオは6月の追加緩和を維持するが、3月もしくは4月の追加緩和の可能性も排除できない」と語った。

  ブラウン・ブラザーズ・ハリマン外国為替部の村田雅志通貨ストラテジストは、日本株は上昇しているものの、「日本経済のリセッションリスクが意識されやすい」とし、「政府・日銀の対応期待が出やすい状況」と指摘。「ただ、本当に政府・日銀が対応できるのか、来週のG20(20カ国・地域財務相・中央銀行総裁)会議を控えて、動きづらいのではないか」と語った。

   ユーロ・ドル相場は1ユーロ=1.12ドル台後半から一時1.1206ドルまでユーロ売り・ドル買いが進み、同時刻現在は1.1209ドル前後。一方、ユーロ・円相場は1ユーロ=127円台前半から一時127円96銭まで円売りが進んだ。

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