英銀HSBC:本社をロンドンに維持-取締役会が全会一致で決定

更新日時
  • 国際金融センターとしてのロンドンの位置付けを明確に
  • 本社所在地をめぐる定期的見直しは取りやめへ

欧州最大の銀行、英HSBCホールディングスは14日、取締役会で本社をロンドンに維持することを決定したと発表した。英国外に移転することなく緩やかな規制と低めの税率を確保できると判断し、10カ月にわたる本社移転の議論に終止符を打った。

  同社の発表資料によると、取締役会の決定は全会一致だった。

  ダグラス・フリント会長は発表資料で、「特定の基準に照らして管轄を見直した結果、アジアに戦略上の重点を置くとともに世界屈指の国際金融センターであるロンドンに本拠地を維持することは両立可能で、顧客と株主に最高の結果をもたらしたことが明らかになった」と説明した。

  今回の決定は2008年の金融危機以降に大手銀行に税制や規制面で譲歩してきたオズボーン英財務相にとって勝利だ。また、英国の欧州連合(EU)離脱の是非をめぐる議論が繰り広げられる中で、ロンドンの国際金融センターとしての位置付けが明確になった。

  敗者は香港で、ブルームバーグ・インテリジェンスの試算では、香港はHSBCの資産の22%を占め、2014年の税引き前利益の約半分を稼いでいた。旧英植民地の香港を統治する中国では景気が減速。世界最大の人口を抱える中国の経済運営をめぐる新たな疑問も香港に不利に働いたようだ。

  HSBCは本社移転の検討に当たり、カナダや米国、中国、オーストラリア、シンガポール、ドイツなど複数の国の規制制度や成長性、現行の規模を「徹底的に」検証。最後に残った2つは香港と英国だった。サンフォード・C・バーンスティーンの分析では、移転を決めていれば最高15億ドル(約1700億円)の費用が生じていたという。

  同行は1865年に香港上海銀行として創業。1993年にロンドンに本社を移転していた。同行は2006年に課税の在り方に不満があるとしてロンドンから移転も辞さない姿勢を表明。10年にも当時のマイケル・ゲーガン最高経営責任者(CEO)がオフィスを香港に移した後に、本社移転問題を検討していた。同行によると、取締役会は約3年ごとに本社移転問題の見直しを実施してきたが、この慣行は不要だとして今後取りやめることも決めた。
  
原題:HSBC Keeps London Headquarters in Victory for U.K. Over Asia(抜粋)

(4段落以降を追加して更新します.)
    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE