ドイツ銀行は12日、ユーロ建てとドル建て債の買い戻し計画を発表した。財務に関する投資家の懸念払拭(ふっしょく)を図る。

  ブルームバーグがまとめたデータによれば、ドイツ銀の劣後債をクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)で保証するコストは少なくとも2002年以来の水準にまで上昇。支払い義務を履行するのに十分な資金があることを示す必要が生じた。

  みずほインターナショナル(ロンドン)のアナリスト、ロジャー・フランシス氏は買い戻しについて、「ドイツ銀がパニックを収めるために使える手段だ」とした上で、「投資家が同行について抱いている根本的な懸念への本物の対応にはならない。配当や劣後債の利払いのためには利益が必要であり、そこに疑問符が付いているからだ」と話した。

  ドイツ銀は発表文で「強力な流動性ポジション」によって、2016年の調達計画を変更することなく優先債の買い戻しが可能になると説明。公開買い付けの目標額はユーロ建て債が30億ユーロ(約3810億円)、ドル建て債は20億ドル(約2260億円)だという。

  同行の劣後債を5年間保証するCDSのスプレッドは12日、ブルームバーグが記録を開始した02年以降で最高となった後、24ベーシスポイント(bp)低下し484bpとなった。1年物のスプレッドは11日に過去最高の551bpとなっていた。

  17億5000万ユーロ相当の偶発転換社債(CoCo債、表面利率6%、2022年4月早期償還条項付き)の価格は額面1ユーロに対し0.02ユーロ上昇の0.73ユーロ。ブルームバーグのデータが示したもので、9日は過去最低の0.7ユーロを付けた。

  発表によれば、ドイツ銀は17年から26年の間に償還を迎える債券を買い戻そうとしている。5年以内に満期を迎えるものが大半となっている。

原題:Deutsche Bank Plans $5.4 Billion Bond Buyback to Quell Selloff(抜粋)