【インサイト】恐怖はすぐに伝染する-クレディ・スイスが良い例

債券市場ではこのところ、ムードが急変しやすく激しさもすさまじい。トレーダーらは突然、欧州の銀行に拒否反応を示し始めた。ドイツ銀行について、偶発転換社債(CoCo債)の利払いができないのではないかという懸念が高まったが、最新の標的はクレディ・スイス・グループだ。

  クレディ・スイスのCoCo債(表面利率6.25%)価格は今月に入り約14%下落し、額面1ドルに対し84.75セントを付けた。値下がりはここ数日に加速した。同行のユーロ建て債が0.7%、ドル建て債が2.1%のプラスリターンをもたらした昨年とは様変わりだ。

  こんなシナリオを考えてみよう。大口投資家が、保有している金融債を市場価格で売ろうとするが買い手が見つからない。そこで値段を下げる。この波が広がって債券トレーダーは突然、自分たちが保有している債券の評価額を引き下げなければならなくなる。多分彼らも金融債を大量に保有しているので、買い手にはならず、最終的には売り手に加わる。これが、ファンダメンタルズに特に変化がないにもかかわらずドイツ銀債、そして数日後にクレディ・スイス債が急落した仕組みではないか。

  債券市場にはほかにも地雷が埋まっているかもしれない。売りと値下がりの連鎖を引き起こすのに大きなきっかけがいらないからだ。一人の大口の売り手と買い手不在の市場があればいい。そして地雷はうまく隠されていて地表からは見えないので、いつ、どこで爆発するか分からない。

(このコラムの内容は必ずしもブルームバーグ・エル・ピーの意見を反映するものではありません。)

原題:Credit Suisse Demonstrates How Fast Debt Fear Can Spread: Gadfly(抜粋)

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